瞽女ヶ峠

瀬戸内海の至近を行く絶壁峠

読み方ごぜがとうげ
標高337m
位置愛媛県八幡浜市
水系宮内川・夢永川 ※夢永川は今回走った林道沿いの水系です。

実走日1995年3月12日(日)
地図などGoogle Maps地図院地図

瞽女ヶ峠は、宇和海と瀬戸内海を隔てる佐田岬半島の付け根部分を越える峠である。当時は国道378号線に属しており、1.5車線そこそこの絶壁ヘアピンの険しい峠道だった。個人的には、この峠を越えて生まれて初めて瀬戸内海を見たので、忘れられない峠のひとつだ。

この国道378号線であるが、当時は北側ではこの道は峠直下の喜木津の集落に大回りして寄っていたため、それとは別に林道の近道というものがあった。おれが峠の下りに利用したのはそちらである。

1999年に新道が開通し、長大な瞽女トンネルを通るルートが国道になり、峠道はローカル線に転落した。

宮内

この日はあまり天気がよろしくなく、八幡浜から夜昼峠で大洲経由に日和るか、それともあくまで瞽女ヶ峠を目指すか……と迷った末、瞽女ヶ峠を選んだ。

八幡浜の市街地から名坂という小さな峠を越え、佐田岬メロディーラインを分けて、瞽女ヶ峠の上りがスタートする。だらだらと上る。わりに人家もあるが静かだ。あたりの山々は段々のミカン畑。菜の花に彩られている。

瞽女トンネルの工事現場を見つつ進む。最初の宮内という集落のあたりの折り返しではずっと上の方の道まで見えた。なかなか険しいが勾配は緩い。この写真だが、おれは右下から上ってきて、これから左上に向かうところなわけである。


鞍部の標識その1鞍部の標識その2

ヘアピンをクリアして上り続ける。道はもちろん舗装。1.5車線と2車線が混じる。その次の折り返し坂の付近が平家谷と呼ばれるあたり。ここを過ぎるとさすがにもう人気はない。

緩い坂をたらたらと上っていくとサミットに到着。というバス停があり、脇に瞽女峠 標高356mという標識が出ている。少し行ったところにも瞽女ヶ峠 標高356mの標識があった。樹間に瀬戸内海が見える。


標識磯崎の集落を見下ろす

さて鞍部のT字路は左が国道378号線で右は林道。標識も出ている。林道の方が近いしアップダウンもなさそうに思えたので右へ。きれいな舗装のされた1.5車線路。坂もきつくない。左には白波の立つ瀬戸内海を見続ける。

さーっと下る。やたらに寒い。と、突然きつい上りになった。は・ま・りという3文字が頭の中を駆け巡る。でもその上りはすぐ終わって、道は再びさーっと下って、海沿いの磯崎の集落で国道378号線に突き当たった。


瀬戸内海沿いに北東に進む

さて峠道はここで終わり。突き当たりを右折して、国道378号線を北東に進み長浜を目指す。振り返って標識を見ると、直進が八幡浜、左折が瞽女ヶ峠になっていた。

走っていると、ときどき海水のしぶきが体にかかる。このとき持っていた地図には終始おだやかな海を見ると書いてあったのだけれども、生まれて初めて見る瀬戸内海はひどく荒れていた。

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2005年2月1日初版 / 2015年1月8日更新