二十曲峠
展開と展望の楽しい林道峠
読み方 | にじゅうまがりとうげ | |
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標高 | 1151m | |
位置 | 山梨県都留市・南都留郡忍野村 | |
道路 | 林道鹿留線 | |
水系 | 相模川 | |
実走日 | 2005年11月13日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
二十曲峠は、何とも説明しにくい位置だが、都留と忍野を隔てる尾根にある林道峠である。都留から山中湖に直接出る際には使えるかもしれないが、短絡路としての意味はほとんどないと言っていいだろう。
しかしこの峠は、多彩な側面を持っていて、それが面白いところだとも言える。例えば……
- 都留側には美しい渓谷沿いのダートがある。
- その一方で、手入れの行き届いた人工林の雰囲気が漂っている。
- 急坂が続いたかと思えば、頂上付近では平坦な山腹走が続く。
- そして頂上は富士山の好展望地(おそらくこれがもっとも有名な側面だ)。
都留側の上り口は富士急の東桂駅のそば。国道139号線に鹿留入口という交差点があり、ここを折れていく。標高は560mほど。
いきなり1.5車線程度の田舎道である。釣堀を左に見る。やがて集落は尽き、左手に鹿留川が寄り添ってくる。川はところどころで石でせき止められており、ここにも釣り人の姿が見える。せき止められた水は、道路沿いから見下ろしている限り、とても美しく澄んで見える。
やがて道は渓流沿いのどろどろのダートに。自転車を停めて写真を撮っていると、おれが上ってきた方から中学生くらいの少女がママチャリでやってきた。懸命に立ち漕ぎをして通り過ぎていく。
林はなかなか手入れが行き届いている感じである。実際に林道として使われていることがよくわかる。しばらく進むと道路は再び舗装に。やがて右手に東屋があり、そこにさっきのママチャリが停めてあった。
それを過ぎてすぐ交差点がある。右折する道には珍しい木製のアーチ橋が架かっている。案内板を読むと、二十曲峠は右折であるらしい。また林道鹿留線もここからのようだ。標高は760mあまり。
ここからの方がむしろ道路は整備されているかもしれない。交通量はかなり少ないから、とても静かで気持ちいい。燃えるような紅葉も目に鮮やかだ。
だんだんと勾配はきつくなってきた。その割になかなか水音は眼下に去らない。標高を上げるにつれて、徐々に遠くの尾根が見えるようになってくる。苦闘することしばし、道は沢を渡って折り返し、山腹に取り付き始めた。標高1040m付近だ。
山腹をめりめりと上っていくと、これまで上ってきた道への眺めが一気に広がる。それと都留方面の谷の広がりも。なかなか雄大である。その道を少し上ると今度はこれから下る道を見下ろす。鞍部まではほぼ山腹走で、それまでアップダウンがあるというわけだ。
尾根下道ならではの、緩やかな尾根線の眺めを楽しみつつ、落ち葉を踏んでいかにも軽快な感じの1車線の舗装路を進んでいく。やがて鞍部に到着である。
鞍部にはある程度想像はしていたがたくさん自動車が停まっている。そしてその向こうには……雲に包まれた富士山! いいよもう。不貞腐れたくもなる。
鞍部には忍野高原 二十曲峠 標高1151.5mの看板、水場、芝生などがあり、休憩には好適だ。三脚を立てて富士山を狙っているカメラマンも多い。
この鞍部では2回もへー自転車で。すごいねという具合に話しかけられた。同じレジャー峠ではあっても、ヤビツ峠とは違うのだ。
ここからは広々とした忍野村へと下りていく。こちら側の交通量はそこそこ多い。非対称な峠で、あっという間に高原に出てしまい峠道は終わる。忍野村の中心街の標高は940mほどもある。
2006年2月6日初版