巖道峠

小さいなりに本格的な林道峠

読み方がんどうとうげ
標高770m
位置山梨県上野原市・南都留郡道志村
道路林道安寺沢線
水系相模川

実走日2008年10月18日(土)
地図などGoogle Maps地図院地図

巖道峠は上野原市の旧秋山村の区域と道志村を結ぶ峠である。つまりはどちらも相模川の大支流である秋山川と道志川の谷を結ぶ峠でもある。

この一帯には小さな峠がたくさん集まっているが、その中でこの巖道峠はかなり本格的な部類に属するのではないか。少なくとも鈴懸峠金波美峠よりはそうである。探訪対象としての楽しさと、それなりに本格的な峠道の感触を兼ね備えた、なかなかお勧めの峠道と言える。ただし、輪行で行こうとすると、それほどアプローチは短くない(特段長くもないが)。

安寺沢の集落

おれは上野原からやってきて、北の秋山側から上った。上野原から来るならば、県道35号線をそのまま走るより、標識通りに右にそれて秋山トンネルを経由するほうが楽である。とは言えそんなには変わらない。

ともあれ、県道35号線を離れ、富岡の集落から安寺沢川沿いの上りを開始する。富岡の標高は270mあまり。

富岡の集落を抜けるとはや渓谷の道の風情である。ほとんど通行はない。安寺沢の集落を過ぎると金波美峠から下りてくる道のガードレールが見えてくる。ここには金波美峠でも書いたように、親切な道標が建っている。標高は440mあまり。


林の中を上る

そこからもしばらくは同じような安寺沢川沿いの上りが続く。沢は水音を立てて白い水しぶきをあげており、もともと気温は高くはないが涼しさを感じさせる。やがて何軒かの家の集まりを過ぎると、林道安寺沢線の看板とともにコンクリート舗装が始まり、上りはいよいよきつくなってきた。しかし楽しい気分でクリアする。ずっとコンクリート舗装というわけではなく、アスファルト舗装と交互に現れるようである。

標高570m付近でヘアピンを折り返して斜面に上りつく。道の風景が明るくなり、沢音が一気に遠ざかる。そうして気づくと、少し鳥の声は聞こえるものの、秋の虫の声はほとんどしない。


来し方を眺める

どんどん標高を稼ぐ。1箇所だけ、左手にこれまで上ってきた谷とその脇の斜面を這い上がる道筋とを眺めるポイントがある。

この写真は少し見づらいのだが、よく見るとサドルのすぐ前に斜めに切り上がる道筋が見えるはずである。

それを過ぎると展望はなくなり、両側からススキが水平に突き出した中を進んで、鞍部に到着。


鞍部

鞍部では左側に石碑が2つあり、片方は開通時の、もう一方はその2年後のものだった。石碑の表面がピカピカして読みにくかったが、碑文によると車道の開通は昭和63年とのことだ。意外と新しい車道ということになる。

この鞍部は稜線を行く徒歩道との十字路にもなっており、ぽつりぽつりと登山客が通りかかる。


鞍部

下り始めてすぐ、右に細い舗装路が分岐していて、脇に野原林道という標柱があった。どちらにしても国道413号線には出られるが、おれは道なりに進む。

右手に逆光の中に展望が広がるが大展望というものでもない。舗装は新しいが小石や岩屑が散らばっている箇所も多い。しばらく下ると上段の道を正面に見上げる箇所がある。なかなかの雰囲気だ。

やがて国道413号線にぶつかる。標高は460mあまり。右折すれば山伏峠や道坂峠へ向かうわけであるが、おれは左折して道志川沿いに下る。少し行った大渡という集落では、左側に集落の人が設けた水場があり、おれはここで給水をした。

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2008年11月10日初版