夏瀬峠

ひなびた温泉と渓谷へのささやかな峠越え

読み方なつぜとうげ
標高200m
位置秋田県仙北市
水系雄物川

実走日1995年5月6日(土)
地図などGoogle Maps地図院地図

夏瀬峠は、秘湯、夏瀬温泉への一本道のダートの峠である。……と書くとすごそうだが、実際には傘松峠と並べて掲載するのは反則というくらいに小さな峠である。しかし、一帯の自然は素晴らしいし、廃線跡(しかもかなりマニアックなやつ)もあるし、温泉の風情もなかなかのものなので、近くを通りかかったら立ち寄ってみることをおすすめしたい。そして、もしも立ち寄ったならば、入浴してさようならではなく、周囲の自然を満喫してから帰ることをおすすめする。

夏瀬温泉への入口

角館から国道46号線を北上していくと、夏瀬温泉への入口がある。大きな看板が出ているのでわかりやすい。田沢湖線(当時は秋田新幹線はなかった)の夏瀬踏切を渡ると、すぐに1車線のダートになる。さあ、いざ秘湯へ。


カーブで道を見下ろす

まあ悪路は悪路には違いないが、勾配がそんなにはないので走りやすい。カーブには遅いヤマザクラの花がまだ残っていた。

なお、この写真は実は帰りに撮ったものだ。したがって、自転車の向きが反対だ。


神代ダムを見下ろす

やがて道は二手に分かれた。左が夏瀬温泉だ。眼下に神代ダムの眺めが広がり、同時に道は下りに転じる。鞍部を越えたわけだ。

ガンガン下るのかと思うとそうではなく、山腹を巻いてゆったりと下っていく。確かに国道46号線からちょっと入っただけなのだが、ずいぶん山奥に来たような印象を受ける。人気がなく静かなせいだろう。


夏瀬温泉への下り

峠道というよりはちょっとした散策路のような感じだが、それも悪くない。ヤマザクラの咲くダートのカーブを、砂塵を巻き上げながら曲がっていくのは、何だかわくわくする。

道を下り切ると、一軒宿の夏瀬温泉に到着。さっそく入浴だ。設備について取り立てて言うことは何もないのだが、昼間のせいで誰もおらず、露天からは玉川の流れを見下ろすことができ、湯には桜の花びらがぷかぷか浮き、なかなかの極楽ぶりだった。


抱返渓谷の遊歩道

湯上りには神代ダムの下流にある抱返渓谷の遊歩道を歩いた。静かで、水は澄み、何とも爽快な気分だった。なお、このときはなんか変だなくらいにしか思わなかったのだが、この遊歩道は材木を運び出す手押し軌道の廃線跡だということを後で知った。ちなみに、根性のある人なら自転車でも通過できると思うが、落ちると洒落にならないのでやめておいたほうがいい。

夏瀬温泉の前には広場があり、おれはそこでキャンプをした。カヌーをしに来ていたおじさん達に、ここキャンプできるよ、と教わったからなのだが、実際怒られることもなく無事朝を迎えることができた。水とトイレがあったし、夜は玉川の瀬音が聞こえ、なかなかいいテン場だった。

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2003年4月6日初版 / 2010年4月7日更新