朴木峠
花と山の明るく静かな峠道
読み方 | ほのきとうげ | |
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標高 | 400m | |
位置 | 山形県西置賜郡小国町 | |
道路 | 林道朴木峠線(南側)・林道横根山線(北側) | |
水系 | 荒川 | |
実走日 | 2014年5月31日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
朴木峠は小国の町の裏山のようなところにある目立たない峠である。おれはもっと奥にある樽口峠とセットで越えた。
南側は明るく開けていて、谷の向こうに飯豊連峰を見ることができる。特に珍しいわけでもないだろうけれども花も美しい。一方で北側は暗い林の中の道となる。
このページを後ろの方まで読んでもらえればわかるとは思うが、飯豊連峰をよく眺めたいならば、時間帯には気をつけましょう。
この峠の名前は、国土地理院の地形図だと朴ノ木峠で、朴にほと振りがなが振ってある。だから読み方はほのきとうげなのだろう、となる。一方で現地で見た表記は朴木峠だけだったので、このページのタイトルはそうしてある。
説明が面倒くさいのだが、この日は小国駅を起点として樽口峠を時計回りで越えてからこの峠を目指した。そういうわけで、下新田から足野水までは昼前と昼過ぎの2回、同じ向きに走ったのである。その途中の清水も2回寄ったのだ。
わかりにくいですよね? ちゃんと理解するには、地図を見ながら樽口峠のページをまず読むことをお勧めします。
清水で水を補給し、少し進んでまばらな足野水の集落を過ぎかけたあたりに、左に道がそれていて、林道朴木峠線終点というきれいな看板が建っている。ここが峠道の入口のようだ。ここには入山禁止というような看板もあるが、そばにある小国町が建てた看板には、山菜・きのこ類を採取する場合には(中略)事前に入林許可証の購入が必要となりますとあるので、それらを採取しないおれはまあ行っていいんだろうという判断である。
いつも疑問に思うところだが、そもそも、林道を走ることが入山にあたるのかどうか、おれには定かではない。
1車線の舗装林道を行く。とにかくタニウツギのピンクの花が多い。反対向きに新潟ナンバーの車が下りてきて、ドライバーのおじさんが顔を出した。これからずっと上りだよ、と教えてくれたのだが、まあ、峠なんだからそれはわかっていることではある。
気がつくと、あたりにはツクバネウツギの白い花がけっこうたくさんある。写真を取ろうとしてカメラを取り出したときに、その勢いで接眼目当てが道端の藪の中に吹っ飛んでいってしまう。藪にあたまを突っ込んで探そうとすると、そこにはヒメサユリが一輪だけ咲いていた。何たる偶然。
時季が限定されているせいもあるだろうが、ヒメサユリが咲いているのを野山で見るのはかなり珍しいことだと思う(群生地――例えば新潟県三条市――を歩くようなのを除けば)。
結局接眼目当ては見つからず、続きを走る。静かで明るい林の中の道が続く。タニウツギとツクバネウツギだけでなく、ガマズミの白い花も多い。
どうでもいいことだが、カメラのアクセサリとして、接眼じゃない目当てはあるのだろうか。
やがて道は山腹に上りつき、今まで以上に開けたものとなる。左手前方に白い飯豊連峰が見え、徐々に後方に流れていく……のだが、空が霞んでいるうえに完全な逆光で、肉眼でもまともに山容はうかがえない。やれやれ。この峠が眺めがいいと知っていたのであれば、午前中にアタックしたものを。
この写真にも飯豊連峰は写っている。はず。
やがて健康の森 横根の裏口(たぶん)を通過し、そして朴木峠の鞍部へ。朴木峠の木の標柱がある。鞍部はやや広く、背後も開けている。もやのない午前中であれば飯豊連峰がよく見えたに違いない。
悔しいけど調べました。この写真だと、自転車のサドルの真上あたりに見えるはずなのが朳差岳(えぶりさしだけ)。ということは、飯豊連峰の本隊はそれより左ですね。
さて下るとする。最初は右手下方におそらくは小国であろう市街地がちらちら見える。
あとは暗い林の中だ。やがて分岐にぶつかるので右折する。健康の森 横根の正面口の前を通過してひたすら下っていく。やはり暗い林の中である。特に見るべき何ものかもなく、突き当たりに出る。小国の市街地から見ると横川の対岸にあたる位置だ。ここには林道横根山線起点の看板があり、ここまでがそういう路線だったのだとわかる。あとは市街地へ下るのみ。小国駅の標高は139.2mだ。
2015年4月9日初版