舟鼻峠

会津の過疎地帯の普通の峠

読み方ふねはなとうげ
標高1034m
位置福島県南会津郡南会津町・下郷町・大沼郡昭和村
道路国道400号線
水系阿賀野川

実走日2006年10月14日(土)
地図などGoogle Maps地図院地図

舟鼻峠は、日光と会津を直結する国道121号線沿いにある田島の町から、只見川筋の金山の町に抜ける道にある峠である。位置的にはまずまず利用価値のある峠道と考えられる。人口の少ない一帯を進む、明るいながらにどこか淋しい感じのする静かな道である。

峠自体は下郷町と昭和村の間にあるのだが、下郷町と昭和村を結ぶ県道346号線上ではなく、南会津町(田島)と昭和村を結ぶ国道400号線上に位置している。しかし国道400号線の新道トンネル(舟鼻トンネル)は県道346号線の側に取りついていて、ややこしいことになっている。

ところで、ここではこの峠を舟鼻峠という名前で取り上げているが、舟ヶ鼻峠という表記も見かける。当然この場合はふねがはなとうげと読むのだろう。

高野川沿い

田島(鄙にはまれな大市街地!)を国道289号線であとにする。阿賀川を渡ってさらに右に折れて国道289号線とも別れ、舟鼻峠へと針路を定める。会津田島駅の標高は550.2m。峠までの標高差は500m弱だからそんなにはない。道は2車線。道の両脇は田んぼで、家も見え、それほどひなびた感じではない。境峠の南側の麓に似ている。

峠があるはずの正面を含めて、あまり高い尾根は見当たらず、高原風の雰囲気である。


田島ダム湖畔

やがて道は田島ダムに向けて豪快に上っていく。こういうのは疲れるので道を右にそれて浅布(あざぶ)の集落を通る旧道へ迂回する。新道の豪快な橋の下をくぐって新道の左側に登りつく。すぐそこに高野(こうや)トンネルが口をあけているが、今度は新道を右にそれてそれを避け、ダム湖沿いに進む。ダムもダム湖も小さい。

じきに高野トンネルを抜けてきた新道が左から合流する。右には立派な橋がかかっているのだがその先で新道は通行止である。つまり改良済みの区間はここで終わり。この交差点では直進して1.5車線のやや頼りなげな峠道へと歩を進める。


紅葉と御神楽岳

のっけから勾配はきつい。ヘアピンを上っていくと、背後の栃木県との県境の方面の山並みが見える。

やがていったん南会津町と下郷町の間の尾根に到達し、その上を走る。下郷町の町域に入ると今度は右側に紅葉した低い尾根が谷越しに見える。

それにしても、この辺の山にはあまり針葉樹がなく、ホオノキが目立つ。そういえばここまでの上りもあまり薄暗いものではなかった。


鞍部

さてやがて浅い切り通しの鞍部に到着。特に何もない鞍部である。右カーブしてほぼ水平に300mほど進むと右から県道346号線が合流してくる。見る限り、落ち葉に覆われた1車線の心細い舗装路である。

ここからは左に折れて、くねくねとした道を下り始める。上りよりも風景は開けた感じだ。野尻川筋の谷間の風景だが、その向こうには尾根らしい尾根は見えない。


昭和村側のヘアピンカーブ

下りのうち最初の方にはなかなか楽しいヘアピンカーブがある。あまり高度差はないが、林の中ではないので妙に目立つ。ちなみに下りの途中に白岩清水というのがあるようだったがおれは見落とした。

道幅の狭い区間はあまり長くない。シェルターをいくつかくぐっていくとやがて田園が始まる。昭和村の市街地まで下ると標高は460m程度。さらに進んで只見川に出会うところにある会津川口駅の標高は284.3m。こちら側のアプローチはけっこう距離が長い。

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2006年12月8日初版 / 2010年4月7日更新