焼坂峠
太平洋の近くのダート峠
読み方 | やけざかとうげ | |
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標高 | 228m | |
位置 | 高知県須崎市・高岡郡中土佐町 | |
水系 | 桜川・久礼川 | |
実走日 | 2009年6月14日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
焼坂峠は、黒潮洗う須崎と久礼(中土佐町の中心街)の街をつなぐダート峠である。両者の間には国道56号線も通っていて、そちらは焼坂トンネルという長いトンネルで抜けている。おれは1995年3月8日にはこのトンネルを抜けたのだが、トンネルの須崎側の上りの途中で休もうとして側溝に左脚をはめてしまい膝の皿をしたたかにぶつけた覚えがある(本当にどうでもいいなこれは)。
南国らしい濃い自然の中の里山ダート峠として、なかなか楽しめる。国道56号線の焼坂トンネルを抜ける自転車旅行者は多いだろうが、時間と体力に余裕があればぜひこの道を楽しんでみてください。ただし(おれのように)徒歩道に迷い込まないように注意。
この峠の須崎側の入口は安和という集落である。須崎の中心街から安和までの国道56号線はトンネルが3つあるが、どれも路肩が広いのでどうということはない。
安和では海のすぐそばに駅がある。向こうには明るい太平洋が見え波の音も聞こえる。国道56号線から駅に行く道は色とりどりのアジサイの花がとても美しかった。
安和で国道56号線を離れて焼坂峠に向かうわけであるが、へんろ道という立札が出ていて、それに従って行くことになる。集落を抜けて土讃線のガード下をくぐるあたりの立札にはこれより右焼坂遍道(ママ)です。登坂口まで0.5K、焼坂峠(標高228)まで1.1K、久礼道ノ川国道合流点まで4.9Kの自然豊かな遍路道!と書いてある。最後の!のポイントが高い。
それで少し行くと道は線路沿いのダートに。さらに行くと砂防ダムの脇で遍路道は登山道のようになって上っていく。一方で車道は左に続き土讃線の焼坂トンネルの上へ続いている。ここからは遍路道と分かれていくということか。そのまま車道を走る。
勾配は特にきつくない。ところどころでヤマモモの赤黒い実が路面を覆っているところがある。花はまったく咲いていない。大きな葉のシダが群生している箇所や竹やぶもある。特に前者は見慣れないもので、おどろおどろしさを感じさせる。
この3日後に愛媛県の内子町に行ったが、駅前のヤマモモの並木は同じようにたくさん実って実を歩道に落としていた。いわゆる観光シーズンではないときの旅行にもそれはそれで小さい発見があるものだなということで。
やがて鞍部に到着。左手に安和の集落と海の眺めが開けるが、送電線が非常に邪魔である。
上りの途中で遍路道とは1度交差していたが、ここでも交差しているようで、トタン板に仏道の標語が書かれていて木の枝に吊るされている。
弘法は遠きにあらず 心中にして近し(だったかな)。
もうはまだなり まだはもうなり……それは相場格言なんじゃないのか?
さて下るのだが、途中から木の根が路面に張り出していたり川を丸木橋で渡ったりという具合で、どうやらどこかで間違えて車道ではなく遍路道に入ってしまったらしいと気づく。いったいどこで間違えたのだろうか。やはり自転車の下りというのは周囲に対する注意力が低いのかもしれない。
途中、非常に狭い急坂もあり、肝を冷やしつつ下りる。20分かそこらの苦闘の末、やがて左からやってきた車道に合流する。やはりどこかで道を間違えたのだ。少し行くと大規模なバイパス工事をやっている。やがて道はダートのまま土讃線の下をくぐり、しばらく土讃線と国道56号線の間を走る。そして国道に合流。
ここまで来ればすぐに久礼だ。久礼の手前にはオッ! 新鮮 中土佐町 ここが黒潮の台所といういい味を出したでかい看板があって、国道56号線からも土讃線からも見えるのだが、この峠道からは見えなかった。
2009年7月2日初版 / 2010年4月7日更新