夏枯峠

海の近くの静かで山深い峠

読み方なつかれとうげ
標高370m
位置高知県高岡郡中土佐町
道路高知県道41号線
水系久礼川・渡川

実走日2009年6月14日(日)
地図などGoogle Maps地図院地図

夏枯峠は、同じ中土佐町の中で、海沿いの久礼(中土佐町の中心街)と四万十川上流の大野見(旧高岡郡大野見村)を結ぶ峠である。隣の七子峠と同じで、久礼からはけっこう上るものの、反対側は四万十川の上流域なので標高が高く、ほとんど下らない。

七子峠にはまっすぐな谷と太平洋の眺めがあるが、夏枯峠にはそれはない。しかし交通量が少なく、山深い雰囲気もあるので探訪目的にはおすすめである。

鰹たたき定食

焼坂峠を越えて久礼に着いたおれはここで昼食にすることにした。1995年の春に来たときにはTir-nan-og 2の呪われた世界のように(知ってる人いますか?)寂れた町というイメージだったが、この日は大正町市場というところが押すな押すなの大混雑でびっくりした。

新鮮な海産物が安く手に入るというのが人が押しかけている理由だろう。おれは魚を買って帰るわけにはいかないので、食堂で鰹たたき定食を食するにとどめた。しかしこれがまたこの世のものとは思えないほど美味であった。

全然峠と関係ないな。


シダの生えた斜面の脇の道

さて補給が終わって峠越えである。国道56号線のスリーエフがある交差点を曲がって県道41号線に入る。

最初は広い2車線の道だったが、すぐに狭い2車線の道になった。勾配は緩くスルスルと上れる。建設中のトンネルの上を通り、曲がりくねって進む。全く人気はない。大きな葉のシダがあったりするのは焼坂峠と同じである。

建設中のトンネルは、この峠道のものではなく、国道56号線のバイパスか何かである。おそらく焼坂トンネルと久礼坂(七子峠の久礼側の道)を直接つなごうということだろう。


久礼側の上りでの南側への眺め

ところどころ眺めがよい箇所もあるが、とても海のすぐそばとは思えない、人気のない山深い眺めである。海面は全く見ることができない。


久礼側の上りでの北側への眺め

地図をよく読めばわかるが、この峠道は標高260m付近で尾根を越え、その北側に出る。川筋でいえば長沢川から久礼川本流にスイッチすることになる。それで展望も進行方向の左側から右側に移るわけであるが、眺め自体はあまり変わらない。

途中、カーブに九魂の塔という石碑があり、海軍の軍人の名前が書いてある。周囲にはサツキとアジサイが植えてあって咲いている。


鞍部

それを過ぎるとじきに鞍部に到着。大野見中学校の生徒が描いた大野見へようこその看板が飾ってあるが、特にここが峠であることを示すものはない。ただし須崎土木事務所の立て看があり、そこに夏枯峠の名前がある。

下り始めると路傍にサツキが咲いている。ここで自動車に抜かれたが、これは峠で出会った唯一の通行者となった。


大野見側のサツキ畑

下り始めると、さっきまでの人気のない長い上りが嘘のようにすぐに集落が現れる。畑にサツキがたくさん植えてある。ここはサツキの産地ということか。

やがて大野見の集落に到着。交差点にはヤマザキショップがあって買物が可能だ。標高は296m。右折してちょっと行けば、すぐそこに四万十川がある。

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2009年7月23日初版 / 2015年1月8日更新