悪場峠
新潟平野を眺め下ろす淋しい散策峠
読み方 | あくばとうげ | |
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標高 | 370m | |
位置 | 新潟県五泉市 | |
道路 | 林道哺土原線 | |
水系 | 阿賀野川 | |
実走日 | 2009年9月19日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
悪場峠は、阿賀野川の大支流である早出(はいであるいははやで)川の上流部の谷同士をつなぐ峠である。遠い町と町を結ぶという位置付けは持たず、非常にローカルな存在である。しかし、新潟市を見下ろす峠道というのはとても珍しいのではないかと思う(峠でないものならばいくつかあるが)。
おれはこの峠からそれほど遠くない場所に生まれ育ったのだが、このような峠が存在することは最近まで知らなかった。実際に行ってみて知ったのだが、この峠の開通は1994年の12月で、おれが札幌に移住したあとだった。道理で。
村松(五泉市)の市街地を、白崎(東蒲原郡阿賀町)へ向かう県道17号線で抜ける。抜けるあたりには村松公園という名所がある。小学校の時に遠足で来たなあ。というのはまあどうでもいいことだが。
市街地を抜けると新潟平野の縁の田園風景が広がる。黄色い稲穂が多いが、少し行った川内の集落のあたりでは白いソバの花も見られる。
川内で平野は終わる。少し早出川沿いに進み、暮坪の集落に到達する。ここで早出川の支流の杉川に架かる橋を渡り、すぐ右折して、ここからは杉川沿いに上っていくことになる。右折するところにはチャレンジランド杉川の看板が出ているので見落とすことはないだろう。
人気のない2車線を上っていく。明るい林である。杉川沿いなのだが川はあまり見えない。いったん下って杉川を渡ってまた上る。
やがて上杉川の小さな集落に到着する。左折が悪場峠への道で、右折は隣の早出川の支流である仙見川の谷への道である。
さて上杉川で左折していったん下って杉川をまた渡り、悪場峠の峠道がスタートする。標高は120mほど。
秋の虫の声をうっすらと聞きつつ広めの舗装路を上る。クリのイガが落ちているのを見かける。キリの実も口を開けている。ホオノキのどす黒い葉っぱも目立つ。
しばらく行くと道は尾根に取り付いた。左側に広い谷が見えてくる。やがてシラカバの植えてある小さな公園に到着。ベンチなどが置いてあり、谷の向こうに平野を見下ろす。よく見ると新潟スタジアムも見えている。
ここには竣工記念の石碑も置いてある。この道路が広域基幹林道哺土原線という道路で1994年12月に開通したということはこの石碑で知った。しかし、広域基幹林道というのは普通はもう少し存在感のあるものなんじゃないのかと思うのだがどうか。
その公園を出て少し行くと鞍部である。かなりわかりにくい鞍部であるが、それを過ぎると道が急に下り出すのでそれと知れる。
下りにはこれという展望はないが、正面の遠い山腹にちらと緑色凝灰岩の明るい青緑の露頭が見えた。
下っていくと、途中で右側に視後平(しごへい)の滝という看板があった。看板は2つあり、滝までは歩いてそれぞれ8分と15分と書いてある。どちらなのだろうか。落差30mとの記述もあり、行ってみたくもなるが、残念ながらあまり時間もないので素通りした。
やがて早出川沿いの道にぶつかったところで峠道は終わる。標高は100m。右折するとすぐ早出川ダムである。おれはこのあと県道17号線の沼越峠を目指すために左折した。
2009年12月24日初版 / 2012年12月20日更新