武石峠
人気のある急峻な観光峠
読み方 | たけしとうげ | |
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標高 | 1830m | |
位置 | 長野県松本市・上田市 | |
道路 | 林道美ヶ原線・県道62号線 | |
水系 | 信濃川 | |
実走日 | 2002年5月25日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠・峠で訪ねる信州 |
武石峠は、松本と東信の間の峠の中では最も標高が高い峠である。もっとも、一般にはこの峠道は美ヶ原の天狗の露地に上るための道路としてしか認識されてはいないだろう。
展望はなかなかのものだが、もともと林道(有料)だからか、ここという展望ポイントは用意されていない。もっとも、鞍部から天狗の露地までさらに上る道の展望が最高なので、これでいいのかもしれない。
路線バスも走り、観光バスも走り、バイクも走り、自転車野郎もたくさん走っている。林道の静けさや山深さを期待して行くと肩透かしを食う部分もあるだろう。
なお、おれが自転車で実走した時点ではあちこちで工事をしていたが、2002年の秋には工事は大部分終わっており、きれいな舗装路になっていた。
まず峠道は、松本市市街地の北にある浅間温泉から美鈴湖へと上る。浅間温泉の上り口の標高が670mほどで、美鈴湖の湖面標高が990mほどだから、300m程度のアップとなる。
浅間温泉の市街地を抜けるが早いか、15%くらいはありそうな急坂が現れて驚く。前に、ここを舞台として行われたツール・ド・美ヶ原で、スタート直後にリタイアが続出したという新聞記事を読んだことがあるが、この急坂ではしかたがないのかなと思う。おれはもちろん休み休みのんびり上った。
ヘアピンカーブが現れると急坂は一息つく。目立って眺めのいい箇所はないが、ときどき左側に松本の市街を眺め下ろす。またこれから上る道を見上げるような箇所もある。
ちなみに、この写真だが、木が赤いのは紅葉でも松くい虫でもなく、山火事の痕だ。全国ニュースにもなったが、2002年3月21日、浅間温泉ではけっこう大きな山火事があったのだ。美鈴湖までは、随所にその痕が見られる。
いったん道はゆるい下りに転じて美鈴湖に到着。あまりきれいな湖ではないが、観光地である。
美鈴湖からしばらくは、1.5〜2車線の緩い上りが続く。尾根上を走るため明るい感じだが、木が多くあまり展望はない。でもところどころで松本盆地や北アルプスを眺めることもできる。
で、この写真だが、よくよく見ると右側に前述の山火事の痕が見えることに注意。
標高1300m付近では、14%という無情の標識とともにヘアピンカーブが始まり、ここからの勾配は本当にきつくて長い。いつしか植生はアカマツからカラマツに遷移し、高原風になってくる。展望は相変わらずあまりない。
坂が緩くなり、右側に武石峠茶屋跡があると、頂上は近い。林の中にやたら標識がたくさん立っていると頂上である。道なりに進むとさらに上って天狗の露地の方へ行ってしまう。個人的には天気がよければおすすめだが(高原の雰囲気、眺望ともに最高)、今回は素直に上田方面へと下るので左折する。
ここからは林道美ヶ原線ではなく県道62号線になるのだが、かえって道は悪くなる。地形的にも松本側よりも懐の深い山の中であり、交通量も少なくなるので、静かな峠の雰囲気がそれなりに味わえる。ただ展望はほとんどない。
右の写真は、現在視点のある1段目の道、正面に見える2段目の道、上方やや右側の枝に隠れそうなところに3段目の道、という図。こんなふうに、武石側は松本側よりも険しい雰囲気が漂っている。
集落があるあたりまで下ると、あとはしばらく広くて静かで緩くてまっすぐな下りの道が続く。まるで石北峠のようだ。MTBでも平均40km/hくらいで走れるだろう。静かな田園の緑が目にまぶしい。
かつての武石村の市街地を過ぎて国道152号線に出ると、標高は600mを切る。
2002年6月1日初版 / 2010年4月7日更新