修那羅峠

石神石仏で有名なローカルな峠

読み方しょならとうげ
標高910m
位置長野県小県郡青木村・東筑摩郡筑北村
道路長野県道12号線
水系信濃川

実走日2002年9月1日(日)
地図などGoogle Maps地図院地図
関連書籍信州百峠峠への挽歌峠で訪ねる信州日本百名峠

修那羅峠は上田盆地西端部の青木村と筑北村坂井(かつての坂井村)を結ぶ峠である。どちらから上っても峠道自体は短く軽く越えてしまえるものだが、鞍部の近くにある安宮神社の石神石仏群のおかげでそれなりに有名である。この石神石仏群であるが、芸術的という形容からはちょっと距離のある変なものばかりである。なかなか面白いので、もしもこの峠を通る機会があったら一度は足を運んでみることをおすすめしたい。

なお、この峠は、上田盆地と松本盆地を隔てる山並みを横断する峠としては最も標高が低い。でも遠回りになるので、この峠を経由して上田・松本間を走ることにはあまり意味がないだろう。上田・松本間には、やはり青木峠が一番である。

国土地理院の地形図では、修那羅にはしゅならというふりがながついているが、現地で見た標識や、信州百峠峠への挽歌などの書籍では、しょならとふってあるので、ここではそちらに従っている。

青木村側の上り

青木村で国道143号線から分かれると、いきなりきつめの勾配での上りが始まる。道路は改良済みの2車線路である。写真をご覧になればお分かりの通り、普通の道路である。普通にガードレールとコンクリートの被覆があり、普通に帰化植物が花を咲かせている。頂上が近くなるとヘアピンカーブが連発するのと、展望が全くないのと、通行があまりない点を除けば、特に指摘する点はないのだ。

国道143号線から分かれる地点の標高が730mだから、鞍部までの上りは180m程度。まあこんなのは楽勝だ。


安宮神社入口

鞍部は切り通し。そこから少し筑北側に行くと左側に安宮神社の入口がある。舗装されているので自転車でも行けそうに見えるが、実際にはよほどの根性がないと難しい。おれは最初からあきらめて入口に自転車を置いていくことにした。

ここから安宮神社までは、標識によれば800mだが、途中からかなりきつい上りもあり、歩くのはけっこう大変だ。


石神石仏

安宮神社は、建物はあまり大きくはないがどこか風格を感じさせる神社である。石神石仏群へは拝殿の右脇をくぐって行くのだが、お参りをすませてから入ってくださいと書いてある。

針葉樹が鬱蒼と茂っている中に、たくさんの石神石仏が並んでいる。何の秩序も気取ったところもなく、ただ並んでいる感じだ。

仏像もあるが、大黒天などもいて、確かに石仏ではなく石神石仏のようだ。文字しか書かれていないものも多いし、中にはぎょっとするようなもの(例えば地面に生首の像が2つ並んでいたりとか)もある。これを置いた人々は、そんな素朴で混沌として猥雑な像たちに何を託したのだろうか。


筑北村側の下り

鞍部から筑北村への下りは、最初だけ9%の標識があるがおおむね緩い勾配で、集落のある中を下っていく。青木村側のようなヘアピンはない。篠ノ井線にぶつかるあたりの標高は640mほどだ。

普通の田舎道なのだが、秋空の青と稲穂の黄色とそばの花の白とコスモスのピンク色がやけに鮮やかで、美しい風景の中を快走できた。

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2002年9月11日初版 / 2010年4月7日更新