猿ヶ馬場峠
長野盆地を見下ろす峠
読み方 | さるがばんばとうげ | |
---|---|---|
標高 | 970m | |
位置 | 長野県東筑摩郡麻績村・千曲市 | |
道路 | 国道403号線 | |
水系 | 信濃川 | |
実走日 | 2001年10月13日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠・峠への挽歌・峠で訪ねる信州 |
猿ヶ馬場峠は、筑北地域と長野盆地を結ぶメインルート上にある峠である。展望以外にこれという特色はないのだが、これだけ眺めがよければ上る価値は十分あるだろう。幸い交通量も多くはない。一応古い歴史を持つ峠道でもあるらしい。
鉄道旅行好きの人には、千曲市側の中腹にある姨捨駅も重要なポイントになるだろう。日本一眺めのよい駅といわれているし、今や希少価値のあるスイッチバック駅でもあり、のどかな雰囲気も格別だ。
麻績で四十八曲峠への道を分け、いきなり上り始める。ここの標高は630mあまり。道路はそんなに整備されている印象を受けないが、幅は2車線あるし勾配も緩い。後方には麻績村市街の眺めが出てくる。青木峠の会田側のような静かな山村が続き、交通量は少ない。
ワインディングをしばらく上っていくとじきにスギ林の中の薄暗い道になる。ここまで来れば頂上は近い。
いきなり目の前が開けて聖湖が右手に現れる。小さくて別にどうということのない湖である。湖の手前が分水界なのだが、麻績村と千曲市(当時は更埴市)の境界は湖の千曲市側にあり、またここで上りも終わる。標高は966m。
さて、いきなり10%で下るのだが、また上りが始まってがっくり来る。この峠道の最高所は市村界より1kmほど千曲市側にある。ここからも10%連発で下る。林の中で、しばらく眺望はない。
かなり下り、標高720mのあたりで林が切れて長野方面から戸倉方面にかけての眺望が出てくる。それがこの写真。
さらに下って標高650m地点付近に千曲川展望公園という小さな公園がある。ここからの展望が最もよい。月見の名所の棚田を見下ろすほか、長野市街も望むことができる。あまり関係ないが、中秋の名月の時期は棚田は刈り取り完了なはずなので、田んぼに水はない。
このまま国道403号線を下っていってももちろんよい。姨捨駅へ向かうならば、この公園のすぐ下で右折しなければならない。→姨捨駅というような標識はないので注意。
姨捨駅の標高は551.2m。行き止まりの駅の雰囲気がいい。駅舎は新しくて風情にはやや欠けるが、きれいに手入れされている印象を受ける。ホームからの眺めは素晴らしく、待合室からホームに出るときまるでダイヴするような錯覚を覚える。なお、夜景の名所でもあるので駅寝はどうかと思う。ただ、水とトイレは完備している。
この写真は、姨捨駅を紹介する写真でかなり高い確率で用いられるベタな構図でおれも狙ってみたもの。スイッチバックなのでホームと本線の標高差がかなりあるわけだ。
この駅からはどのように走っても迷うことなく千曲川に出られる。千曲川まで下ると標高は300m台。
2002年1月7日初版 / 2010年4月7日更新