大弛峠
上信越の山並みを眺める鬼ダート峠
読み方 | おおだるみとうげ | |
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標高 | 2360m | |
位置 | 長野県南佐久郡川上村・山梨県山梨市 | |
水系 | 信濃川・富士川 | |
実走日 | 2001年9月24日(月) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠 |
大弛峠は南佐久と山梨県東部を隔てる尾根を越える唯一の峠道である。戦後に開かれた新しい峠で、生活感のほとんどない荒れたダートが山腹にえんえんと続く。
魅力としては道の険しさと眺望のほかにこの標高が挙げられる。昭文社のツーリングマップル中部北陸には、日本最高所の車道峠
とある。少々心配していたのだが、空気の薄さに苦しむということはなかった。
首都圏に近いせいか、けっこう人気はあるようだ。健脚の人であれば、東京から小海線の信濃川上駅まで輪行してこの峠を越えてその日のうちに甲府盆地に下りて輪行して帰る……ということもやれないことはないのではないか。なお平日は通行禁止らしい。
川上側の麓には廻り目平キャンプ場というキャンプ場があって、峠越えの基地としてはとても便利である。9月の天気のよい3連休だったせいもあるだろうが、ものすごい混雑で面食らってしまった。また、標高が1500m以上もあり、峠への道からは100mほど上ることになり、これがまた少々きついものがあった。なお料金は600円。
キャンプ場を出て峠道に入ると、しばらくは緑のトンネルのような中を1車線の荒れた急坂の舗装路が続く。しばらく行くと道はダートになる。大きな石がばら撒かれ、まるで河原のようで走りにくい。ところどころタイヤが空転するような箇所もあり、しんどい。
ヘアピンが繰り返すようになると坂は少し緩くなり、また多少道は明るい感じになる。あたりはカラマツばかりになり、鳥の声さえもせず、とても静か。樹間にちらちらと下界の眺めが出てくる。
頂上まであと少し、というところで大風景が開ける。左手彼方に白馬の山々を眺め、正面下方に川端下の集落を見下ろし、その向こうに浅間山を見る。そして重畳という言葉ではまだ足りないほど折り重なる上信越の山々。……しかし、この写真はいまいちだ。なぜだろう?
ここから頂上まではまさに胸突き八丁。タイヤが空転ばかりして全然先に進まない。悪戦苦闘してようやく頂上に到着。ここでもものすごい車の量に驚く。頂上付近からは展望のようなものは特にない。キャンプはできるが、時期を選ばないとかなり寒いと思う。
山梨側はかなり舗装が進んでいる。工事箇所が多いので注意が必要だ。頂上付近の眺めはあまりよくないが、牧丘に下る杣口林道からは眺めがなかなかよい。富士山と甲府盆地を眺めつつ、一気の下りを堪能できる。麓の牧丘には温泉があり、峠越えの汗を流してのんびりするのにいい。
2002年1月7日初版 / 2010年4月7日更新