三和峠
廃墟と別荘に囲まれた陰気な峠
読み方 | みわとうげ | |
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標高 | 1200m ※鞍部の標高です。 | |
位置 | 長野県東筑摩郡麻績村・千曲市・長野市 | |
道路 | 長野県道501号線 | |
水系 | 信濃川 | |
実走日 | 2003年4月27日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
三和峠は、筑北地域と長野盆地を隔てる尾根を越える峠のひとつであるが、筑北と長野を結ぶ道としてはまったく価値はない。あたりは別荘地であるが、観光地としてはかなり寂れている。
生活感のない白いペンキ塗りの別荘とでかい廃墟が並ぶ中を展望もないままに上る薄暗い峠道には、近隣の猿ヶ馬場峠や一本松峠のような爽快感はない。ある意味においては信州の今を語る峠なのかもしれないが。
おれは三和峠に麻績側から上った。上り口は聖湖畔、猿ヶ馬場峠の鞍部付近である。
この写真だが、道路の中央に置いてある立て看には、山菜やきのこ類の採集はしないでという旨が書かれている。いかにも観光地らしい。
ちなみに、この写真の撮影者の真後ろの聖湖畔には、大きな白亜のホテルがある。……が、廃墟!
勾配は最初からけっこうきつい。林の中で、あまりガードレールはないが、整備状況は悪くない。
これという休憩ポイントはまったくない(この辺も麦草峠に似ていて、別荘地らしい)。林の向こうに、ちらちらと聖湖や三峯山の眺めがあるが、それもごく一部だけだ。
いったん道は下りに転じ、すずらん湖の湖畔走になる。ここの湖畔にも大きなレストラン風の建物がある。……が、廃墟!
ゆったりとすずらん湖の北側を巻いて、三和峠の鞍部に到着。木製の峠標柱が2本ある。また、ここまでの区間はかつて有料林道だったらしく、村営林道聖高原線御利用の皆様へという看板が撤去されずに残っている。
ここまでが麻績村の村域で、ここからは千曲市(当時は更埴市)の市域になる。勾配という点ではゆったりとした道が続く。交通量も少ないし、周囲の別荘も減ったようだ。
茫洋とした山並みを見下ろしつつ(午前中だと北アルプスがよく見えたかもしれない)、少し上って長野市(当時は更級郡大岡村)に入る。ため池のようなものを左に見て、最高所(1250m)を越える。下りはシラカバ林の続く道だ。
下りの途中に、ごんげん池という池があり、そのほとりに大岡村営聖ヶ丘キャンプ場があった。夕方だったので、様子を見てから、テン張ることにした。施設は新しくてきれい。コインシャワーやコイン洗濯機まである。こんなキャンプ場が無料なわけないよなあと思いつつ、無人だったのでダマテン。営業期間外だったに違いなかった。ごめんなさい。
さて、次の朝はいきなり下りの続きである。少し上ってから、がんがん下り始める。やがて正面に恐ろしく高い鹿島槍が見えてくる。考えてみると当たり前だが、下りの途中で見上げる山というのはこれは本当に高く見える。
やがて県道12号線に合流。標高900m以上の山腹だが、こんなところに大岡村(当時)の中心部がある。個人的には信州ぽくて好きな村だった、のだが。
村の中心部の北側にはアルプス展望公園という公園があり、ここからの眺めは大洞峠に匹敵するほど素晴らしい。用事がないのに通りかかることはまず考えられない場所にあるけれども、おすすめしたい。
2003年7月17日初版 / 2010年4月7日更新