馬越峠
野菜畑に包まれた穏やかな峠
読み方 | まごえとうげ | |
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標高 | 1610m | |
位置 | 長野県南佐久郡南相木村・川上村 | |
道路 | 長野県道2号線 | |
水系 | 信濃川 | |
実走日 | 2002年7月28日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
馬越峠は、小海と川上をつなぐ南佐久のローカルな峠である。県道2号線という立派な番号の路線が通ってはいるが、立地条件的には地元民以外にはほとんど利用価値のない峠といえる。実際、通行は(夏休みにもかかわらず)ほとんどなかった。
地図を見ると狭い上にぐねぐねしているので、どこかおどろおどろしさを感じるのだが、実際行ってみると、峠の前後は開放感のある高原野菜畑だった。
南相木村側には温泉もキャンプ場もあるし、それでいて静かだから、探訪派なら行く価値は大いにあるだろう。
おれは小海町から上り始めた。小海町市街の標高は860mほどなので、馬越峠まではけっこう上ることになる。しばらくの間は、わりとありがちな山峡の川沿いの道が続いた。緩勾配の立派な2車線路で快走できる。南相木村の中心部あたりからは徐々に勾配がきつくなり、いっそう山深い感じになってくる。
県道2号線は、三川という集落への道を分けると谷底から一気に駆け上がる。その分岐点に滝見の湯という温泉施設がある。すぐそこには犬ころの滝という滝があり、これを見つつ露天に浸かれるという風情らしい。しかも料金は350円とのこと。
ちなみに、この分岐点の標高は1120mである。
谷底から少し上がると、目の前はいきなり開けて野菜畑になる。人家もあり、朝っぱらからトラクターが走り回っている。
風景は牧歌的だが勾配はきつい。10%などもまじえて畑の中を折り返して上る。峠道としてはかなり珍しい部類に属するだろう。
じきに、右側に立原高原キャンプ場が見えてきた。緩い斜面にシラカバが生え、美しいキャンプ場である。そして何より、朝だというのに全然キャンパーの姿が見えない。実は最高に近いテン場なのかもしれない。
キャンプ場付近を最後に畑は尽き、森の中になる。やがて道は1車線そこそこと狭くなる。路傍では雑草と雑木が地味な花を咲かせ、木の向こうにさっき上ってきた畑を見下ろす。
ヘアピンを折り返して上っていくと徐々に眺めがよくなってくる。この日は霞が濃くてこの通り。中心付近に写っている畑の中を突っ切って上ってきたわけだ。
鞍部は切り通しの左カーブになっている。おれはここで地元の自転車乗りのおじさんに会った(正確には、彼には峠の遥か手前で一度抜かれているのだが)。南相木村唯一の自転車乗りということらしい、そのおじさんによると……
- 滝見の湯からは三川経由で峠に上ると勾配が緩くて楽である。
- 上りの途中では、天気がよければ浅間まで見えるんじゃないかとおれは思ったのだが、実際はそうでもない。
- 今日のように霞んでいることはやはり珍しい。
……とのこと。
こちらは鞍部から川上村側への眺め。山と一面の畑。霞が何とかという前に逆光なのだ。
ちなみに、右手奥にひときわ高い山があるが、これは国師ヶ岳で、そのすぐ右が大弛峠の鞍部である。
川上村側への下りは、上りと同じく林の中。ただし上りよりは明るい感じがする。林を抜けるとやはり一面の野菜畑になる。
川上村中心部付近で県道68号線に突き当たると、標高は1180mほど。
2002年9月6日初版 / 2010年4月7日更新