風越峠
小さいながらにどこか雄大な峠
読み方 | かざこしとうげ | |
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標高 | 980m ※旧道の標高からの新道の標高の推定です。 | |
位置 | 長野県松本市・東筑摩郡筑北村 | |
道路 | 長野県道303号線 | |
水系 | 信濃川 | |
実走日 | 2003年4月27日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
風越峠は、明科に注ぐ会田川の流域と筑北の境界にある峠である。花川原峠の東、青木峠の会吉トンネルの西にある。特に花川原峠は近く、直線距離で1km程度だ。
よく整備された2車線の道路で、青木峠よりも走りやすい。あまり生活感はなく、特に筑北村側はどこか北海道の峠を思い出させる。特に魅力的な峠ではないが、短いわりに風景がころころ変わるのは楽しめるかもしれない。
おれは明科(安曇野市)から西条(筑北村)へ行くのにこの峠道を利用した。もちろん普通は国道403号線(矢越トンネル)を使うのだが、こちらはしょっちゅう使うので飽きてしまったのであった。
明科からは県道302号線で会田川沿いに上っていく。間断のない上りだがきつくはない。会田を過ぎてしばらく行ったところにある信号機の交差点で左折し、いざ風越峠へ。この地点の標高は714mで、明科が530m程度だから、それなりには上ってきたわけだ。
なお、この交差点を直進する道(写真でいうと撮影者の背後になる)は、青木峠へ向かう小径である。
最初は集落の中を抜けていく。道幅はやや狭い2車線。
道沿いに、桜、芝桜、ユキヤナギなどなど、さまざまな花が咲き乱れるのどかな風景が展開する。普段住んでいる松本市から少し足を伸ばしただけでこれだけ違う空気が漂っているのだから、お出かけはしてみるものだ。
集落を抜けると道路は非常によく整備された広い2車線になる。真夏のかんかん照りの時は辛そうだが、勾配はきつくなく、走りやすい。交通量も多くはない。青木峠よりは多いだろうが。
目をやられそうな緑色のシェルターが、同じようなカーブに2回現れる。それを抜けると、あっけなく鞍部のトンネルに到着。左側には旧道のトンネルが残されているが、封印されていて通過できない。この旧道トンネルは、ポータルにうだゐずしこざかと(右から左の表記で)彫られた銘板が掲げられているくらいだから、きっと年代物なのだろう。
この写真に写っている見事なアカマツ林だが、風越峠だけでなく、青木峠や国道403号線(矢越トンネル)の周辺にも見られる。会田に村役場のあった四賀村も西条に村役場のあった本城村も(ともに東筑摩郡)、村木はアカマツであった。
なお、ここからは右側に会田川の谷の眺めが少しあり、谷の反対側の水上ダムの堤体も望める。
トンネルを抜けると小さな展望台がある。正面に北アルプスの鹿島槍を望み、山腹を巻いて下っていく道筋や、長野道のコンクリートの被覆なども見える。小ぢんまりとはしているが、どこか雄大さと静けさを感じる。
これまたよく整備された道を、餓鬼岳を正面に見つつ風を切って下る。やがて左から花川原峠からの道が合流する。さらに進めば、明科から矢越トンネルを抜けてきた国道403号線に突き当たる。標高は700m。
2003年8月28日初版 / 2010年4月7日更新