一本松峠
探訪派向け美風景峠
読み方 | いっぽんまつとうげ | |
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標高 | 920m | |
位置 | 長野県東筑摩郡筑北村・麻績村・千曲市 | |
水系 | 信濃川 | |
実走日 | 2002年9月1日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠 |
一本松峠は猿ヶ馬場峠と四十八曲峠の間にある峠である。標高はその両者よりも低いが、あまり整備はされていない。特に麻績村(松本側)から上るルートは車道になってさえもいない。そこで今回、おれは松本側の上り口として筑北村の冠着駅を選び、ここから稜線に上り、稜線伝いに峠に到達してみた。ちょっといんちきだけど勘弁してください。
峠としては、田園風の軽快さと山岳道路風の雄大さがミックスされている感じで、急ぐのでなければ楽しめるはずである。
この峠に上るには、麻績村中心部の方から冠着駅の方に進んでいくわけだが、冠着駅を通過してそのまままっすぐ行くと行き止まりになってしまう。途中に→一本松峠というような小さな看板があるのでそれに従って右折する。
ストレートがちな田園の1.5車線をじりじりと上る。何となく花川原峠に似ている気がする。それにしても空は澄んだ青。山は緑。田園は白(そば)と黄色(稲穂)とピンク色(コスモス)。それだけのことだが、楽しい。
ちなみに、冠着駅の標高は676m。松本・長野間で最も標高の高い駅である。
畑はかなり奥まで続いているが、人家はない。やがて畑は切れて林の中のヘアピンの上りがスタートする。振り返ると北アルプスとそば畑。もしも信州美という言葉があるなら、ここはその代表だろう。そう勝手に思う。
なお、写真に見えている山だが、中央付近が燕岳、右側のが餓鬼岳、左のほうのが大天井岳。
林の中をしばらく上ると空が広い。右側から稜線の道が合流してくる。この道は、四十八曲峠からここへやってきてさらに一本松峠、さらに猿ヶ馬場峠へとつながっている。一本松峠へは、合流後左折ということになる。
で、稜線に上りつくと反対側の長野盆地方面の眺めが開ける。この地点の標高は920mであり、猿ヶ馬場峠の展望公園などよりもよほど高いわけで、その分広角レンズでのぞいたような感じだ。この写真には写っていないが、足元に高速道路(長野道)やJR篠ノ井線の羽尾信号場(スイッチバック!)も見下ろすことができる。
羽尾信号場の使用は2008年3月に停止されたので、列車が停まるのを見ることはもうできない。
ここからは尾根沿いに一本松峠の鞍部へ。軽く下って軽く上る。眺望はない。鞍部は薄暗い林の中にある。ここの標高も920m。
鞍部からは、右手に谷を見ながら、並木のように木の生えた1車線の舗装路を下る。やがて道は立派な2車線になり、ゴルフ場のまん中を通過し、標高710m付近で猿ヶ馬場峠を下ってきた国道403号線に合流する。ここからは、猿ヶ馬場峠で書いたように、展望公園に寄ったり姨捨駅に寄ったりと、いろいろな下り方が楽しめる。
2002年10月15日初版 / 2015年1月8日更新