飯田峠
山深く静かな旧街道の峠
読み方 | いいだとうげ | |
---|---|---|
標高 | 1235m | |
位置 | 長野県飯田市 | |
道路 | 長野県道8号線 | |
水系 | 天竜川 | |
実走日 | 2003年9月23日(火) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠 |
飯田峠は、南木曽町と飯田市を結ぶ大平街道の峠である。木曽と伊那の境界になっているのはこの飯田峠ではなく大平峠の方で、この峠はその飯田側の前衛といった立場にある。そういったわけで、青崩峠に対する兵越峠のように地味な印象がある。
実際に走ってみると、山深く急峻な峠道の割には里の雰囲気もあって、それが旧街道っぽいところかなと感じた。大平峠と合わせて歩いてみるのも楽しそうに思えた。
前日に大平峠の下りの途中で野営したおれは、この日は大平の集落へ下って飯田峠への登坂を開始。大平の標高が1140mほどあるから、これは上りと呼ぶようなものではない。大平峠の大平側と同様の明るい林の中をカーブしながら上っていくとじきに鞍部である。
鞍部は左カーブの切り通し。大平峠と同様に、金属製の標識と木の看板がある。
ここからの下りは、右手の谷の向こうにちらちらと飯田盆地の切れ端と南アルプスを望みながらのものになる。しかし木が多くなかなか展望は開けない。これから下っていく道の眺めなどもやはりちらちらとあり、当たり前だが大平側より急峻で長く、山深さを感じる。
朝の谷間の冷たく湿った空気の中を風を切って走るのはなかなかすがすがしい。
沿道にはかなり頻繁に地名を書いた木の看板が出ている。設置者の思い入れが感じられ、ちょっと微笑ましい。
かなり下ったなという感じのするあたりに、南アルプスの展望が開ける箇所がある。逆光でいまいちな写真だが、一応解説をしておくと、左端の双耳峰は池口岳。
やがてツンボ平という変わった名前の小さな集落を過ぎ、ダム湖を右手に見つつ下りていくと、飯田の市街が間近に迫ってくる。
ダムを過ぎると唐突に峠道は終わる。そこは既に市街地の端といった風情だ。あまり分かりやすくはないが、標高650m付近に、名水猿庫の泉への分岐がある。せっかくなので寄っていくことにする。鬼勾配の舗装路を少し上ると林の中に清水がある。
飯田の市街地の中心部あたりまで下ると、標高は500m程度である。
2004年4月18日初版 / 2010年4月7日更新