保福寺峠
未整備で静かな探訪派向けの峠道
読み方 | ほふくじとうげ | |
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標高 | 1340m | |
位置 | 長野県松本市・上田市 | |
道路 | 長野県道181号線 | |
水系 | 信濃川 | |
実走日 | 2001年6月3日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠・峠で訪ねる信州 |
保福寺峠は、松本盆地と上田盆地を結ぶ、かつての東山道にある峠である。日本アルプスの父として知られるウェストンがこの峠のパノラマに感激したとかでウェストン日本アルプス絶賛の地という何だか変な肩書きもある。
そういう由来を持ちつつも、結局メインルートの候補として顧みられることはなく、そこいらのローカル県道の峠のひとつに転落してしまい、あまり改良も加えられなかった。かくしてここには我々自転車乗りが真に行きたかった峠が残された(まあ、他の自転車乗りに会ったことはないけどね)。
実際に自転車で走った印象では、青木峠や田口峠と同様に、坂もきつくなく、森林浴気分で走ることのできる、やさしき峠道である。
松本側から上ると、刈谷原で国道143号線を離れて保福寺川沿いに上っていくことになる。しばらくは家並みが続き、坂もダラダラしたもので峠という雰囲気ではない。やがて左手に保福寺というお寺があり、家並みが途切れる。
道がいきなりヘアピンで折り返し、正面に北アルプスを見るようになると峠道が始まる。ここの標高は880m。なおここから先は大型車の通行は禁止されている。
道は1.5車線で、ほとんどの区間が森の中で展望はない。大部分の区間は山腹走である。コンクリートで固められたスケール感のある折り返しの上りが何箇所かある。交通量は非常に少なく、頂上に着くまでに対向車は全くなく、追い抜いて行ったのも乗用車とバイクがそれぞれ2台だけだった。
北アルプスが見えてくるのは鞍部付近になってから。鞍部の手前で右に三才山峠へ行くダート(林道蝶ヶ原線)を分ける。
鞍部からは北アルプスと松本盆地の切れ端を眺めることができる。頂上にはウェストン日本アルプス絶賛の地の石碑がある。
で、この写真。常念岳など、松本盆地でおなじみの面々の他に、穂高の山々も望むことができる。ではあるが、おれ自身の感想をいえば、思ったより小ぶりな眺めだ。少なくとも、大迫力! 北アルプスの眺望ほしいまま!という類のものではなく、ウェストンは本当にこの峠を越えたのだろうかとさえ思う。
上田側の下りは、松本側より明らかに道が悪い。アスファルトは荒れ、なぜか中央部に砂や石が溜まり、幅は1車線でガードレールがない。そして鬱蒼とした森の中。なかなか楽しい。
途中、見晴らしがいい箇所もあり、佐久方面の展望がある。写真の左方の噴煙たなびく(あまり写真では見えないが)山が浅間山。
おれはこのあとダートを通って県道12号線にショートカットし(乗用車が通過を試みれば火花が散りそうなダートだった)、鹿教湯に下った。
2002年1月7日初版 / 2010年4月7日更新