火山峠
緩やかな、何の変哲もない峠道
読み方 | ひやまとうげ | |
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標高 | 853m | |
位置 | 長野県伊那市・駒ヶ根市 | |
道路 | 長野県道18号線 | |
水系 | 天竜川 | |
実走日 | 2003年3月21日(金) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠 |
火山峠は天竜川の左岸で伊那と駒ヶ根をつなぐ峠道である。ただ、両市の間にはこれ以外にもたくさん道路があり、この峠はあくまでローカルにしか使われていないようだ。
俳人井上井月が行き倒れた峠道だとか、駒ヶ根側には芭蕉の松という松の巨木があるとか、実はいろいろいわれがあるのだが、そういう予備知識がないと、この峠は何の変哲もない普通の峠としか思えない。
そういった、この峠のいわれについては、書籍信州百峠に詳しい。また、書籍峠への挽歌には、まさに現在消えようとしている峠としての火山峠の論評が載っている。
おれは、伊那市近郊の竜東橋で、天竜川の大支流である三峰(みぶ)川を渡り、この峠を目指した。橋を渡ったあたりの標高は約650m。
本当に緩やかに、ダラダラと上っていく。あたりの風景は、いかにも浅春の信州の田舎そのものである。交通量は少ないが、道路は整備されていて2車線ある。
写真は、標高が700mを越えて少し進んだあたりのもの。背後に中央アルプスが見える。一番高い山は経ヶ岳である。……と書けばわかる人もいるかもしれないが、その左側の鞍部が権兵衛峠である(権兵衛峠の伊那側の道は林道経ヶ岳線という名前)。
やがて人里が切れ、一発折り返して上ると、あっさりと切り通しの鞍部に到着。これには拍子抜け。
鞍部には左側に地蔵があるくらいで、あとは鞍部らしいものは市界の標識くらいしかない。
駒ヶ根市側は伊那市側よりも急峻で、ヘアピンを繰り返す。採石場があり、産廃処分場絶対反対の看板がある。途中に芭蕉の松があり、井上井月の辞世の句碑もあったはずだが、全力で下ってしまったので全然気づかなかった。
峠の近くまで田んぼが開かれており、道路はその縁をまわって下っていく。特に眺望はない。
天竜大橋のたもとまで下ると、標高は600mを切る。これは駒ヶ根市街よりも100mほど低く、ここから駒ヶ根市街まで上るのはけっこうたいへんだ。
2003年4月26日初版 / 2010年4月7日更新