権兵衛峠
カラマツに包まれた眺めのいい峠
読み方 | ごんべえとうげ | |
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標高 | 1590m | |
位置 | 長野県上伊那郡南箕輪村・塩尻市 | |
道路 | 国道361号線 | |
水系 | 天竜川・信濃川 | |
実走日 | 2001年8月4日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 | |
関連書籍 | 信州百峠・峠への挽歌・峠で訪ねる信州・日本百名峠 |
権兵衛峠は伊那と木曽を結ぶ権兵衛街道にある峠である。2006年2月4日に、長大な権兵衛トンネル(4467m)を含む新道が開通しているが、おれが走ったのは、それが開通する前の1車線の険しい山道の方だった。
その峠道であるが、伊那と木曽の間の街道はこれ以南はしばらくないから、交通量が多いのかと思ったが、そんなことはなかった。道路としても上記の通り(特に伊那側は)改良されていないかった。書籍信州百峠によると、経ヶ岳線という林道を暫定改良しただけだとのことだ。
伊那側は、麓に温泉があるし、南アルプスの眺めもいいし、カラマツに覆われた山の雰囲気もなかなかのものだった。しかし何よりも、頂上付近に水場があり野営ができるのはありがたかった。おれが行ったのは真夏だが、セミが鳴いておらず下界との差を感じた。
この峠名の由来の権兵衛氏については、木曽側の牛方の行司の古畑権兵衛という人物であったことは、書籍信州百峠にも峠への挽歌にも日本百名峠にも峠で訪ねる信州にも書いてある。ただ、信州百峠だけは、開削の推進者は別にいて、古畑権兵衛をはじめとする木曽の牛方は駄賃稼ぎのために計画に賛成したということだろうという見方を紹介している。
伊那側の麓である西箕輪の羽広には、みはらしの湯という温泉施設がある。おれはここに浸かってから上り始めた。なおここの標高は900mあまり。けっこう高いのだ。
いきなり道は1.5車線ほどの狭さとなり、薄暗い林の中の上りとなる。最初勾配はきついがしばらく行くと徐々に緩くなってくる。樹間に伊那市方面の眺めがちらちらと出てくるとともに、あたりの山はカラマツ一色に。とにかくえんえんと緩くて単調な上りが続く。
長野県には多い例なのだが、カーブごとに番号が振られており看板が立っている。第57号カーブのあたりで伊那市から南箕輪村に入る。
交通量は保福寺峠に比べればよほど多いが、それでもかなり少ない。地元車が多い感じだ。
第100号カーブの所に駐車場と展望台がある。信州恒例の山の展望図があるので、この辺の地理に暗い人はここで山の名前を覚えるのがよい。
さらに少し進むと1590mの最高所。ここからはゆったりと下り、第108号カーブを過ぎると市村界(標高1540m)に到着。写真は、市村界の少し伊那側で撮影したもの。伊那谷と南アルプスの眺めが見事だ。中央付近に鋸岳と甲斐駒が並んで見え、右には仙丈ヶ岳がある。
なお、市村界には南側に駐車場がある。ここからは11%と10%の下りがあるが、それは短いもので、あとはゆったりと奈良井まで下る。道は木曽側の方がずっと広い。
この写真は、鞍部での野営の風景。この場所へは、村界の駐車場からだと尾根伝いに南へ150mほど歩くが、市村界から奈良井側へ少し下ったあたりから入ってくることもでき、それなら国道から近い。なおトイレは駐車場にある。
朝は、犬を連れたおじさんがやってきて水場で豪快に顔を洗ったり、車でやってきた夫婦がペットボトルに水を詰めたりしていた。水場が好きなのは自転車乗りだけの属性ではないようであった。
2002年1月7日初版 / 2010年4月7日更新