ぶどう峠

大迫力の絶壁を行く大物峠

読み方ぶどうとうげ
標高1500m
位置長野県南佐久郡北相木村・群馬県多野郡上野村
道路長野・群馬県道124号線
水系信濃川・利根川

実走日2003年4月17日(木)
地図などGoogle Maps地図院地図

ぶどう峠は、上信国境にたくさんある峠のうち、最南端に位置する峠である。なぜか地味な印象があるが、実際には相当なスケール感があり、大物峠扱いされてもいいと思う。断崖を折り返す道の風情は神坂峠のようだし、群馬県側の目もくらむような高低差は椎矢峠に匹敵するだろう。

なお、この峠名は、漢字で書くと武道峠のようだ(頂上にあった石碑に記されていた林道名による)。また、書籍信州百峠によれば、大正期に陸軍の演習を機に開かれたということだから、十石峠などと比べると歴史はないらしい。

北相木村の市街地の近くから見る八ヶ岳

おれは小海まで輪行してこの峠を目指した。

小海町の市街からぶどう峠へは、最初のうちは馬越峠へ行く県道2号線を通っていく。やがて、南相木村を目指す県道2号線と別れ、北相木村の市街を目指す県道124号線に入る。上り基調のアップダウンを進む。

進んでいくと後方に八ヶ岳が見えてくる。どんどん八ヶ岳から離れた谷間に進んでいくのに、逆によく見えるようになってくるというのはちょっと不思議な感じだ。

北相木村の中心部(けっこう味のある集落!)を過ぎると、道は広狭混在という感じになってくる。随所に改良工事の跡がある。

やがて背後の八ヶ岳は姿を消す。山村が続く。馬越峠とは違い、野菜畑はない。


北相木村側標高1420m付近

木次原(標高約1220m)で道路が折り返すと、本格的な峠上りの開始である。臼田建設事務所の第32号カーブの標識がある。理由はわからないが、頂上に向かって数が減っていくという趣向らしい。

カラマツ林の中の明るい1.5車線路。交通量は皆無ではないにせよ少ない。

やがて目の前が開け、これから上る道のガードレールが見えてくる。神坂峠のようである。そして、はるか後方には再び八ヶ岳。道路脇には、まだつぼみは小さいが桜の木がたくさん植わっている。花が咲けばなかなかの風情だろう。


鞍部からの北相木村側の眺望

やがて切り通しの左カーブの鞍部に到着。長野県側に、石碑とテーブルと腰掛がある。ここまで来ると八ヶ岳は見えないが、その北側の蓼科山などの眺めがいい。それにしても静かな峠である。

さてここからは群馬県側の茫洋とした山並みを見つつ下る。道の雰囲気は長野県側とあまり変わらないが、路面に砂が多い。路肩だけでなく道路の中央部にも砂が溜まっているので、むやみにアウトインアウトができない。


上野村側の道路

走るにつれて、長野県側と比べてはるかに険しい地形であることに気づく。これから下る道を見下ろす箇所が随所にあるのだが、その落差が半端ではない。椎矢峠にも匹敵する景観だろう。

この写真は(いまいちなのだが)、中央上部の山と空の境界付近に、はるか上方の道路の脇の被覆が見えている。

かなり下り、中之沢の集落を過ぎて、ようやく下りは緩くなる。いかにも地すべり地帯っぽい、見上げるような斜面に立地する村落を見つつ進む。国道299号線に合流する地点の標高は600mほど。

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2003年4月26日初版 / 2010年4月7日更新