藤越

森の中の狭い道の峠

読み方ふじごえ
標高380m
位置三重県度会郡大紀町・度会町
道路三重県道151号線
水系宮川

実走日2016年4月30日(土)
地図などGoogle Maps地図院地図

藤越は、伊勢湾に注ぐ宮川の、熊野灘側に伸びた2本の支流筋を隔てる尾根にある峠である。道路地図を読む限り、おそらく利用価値はほとんどない峠だと思われる。もっとも、その割には実際に行ってみると通行は絶無というわけではなかった。

おれが持っていった昭文社の2013年版のツーリングマップル関西には、峠付近は広くて展望がいい一部ダート区間ありと書いてあるのだが、おれが行ってみた限り、展望はよくはなかったし、ダート区間もなかった。未整備な峠道だったのは確かだが。

木屋の水場

おれは七保峠との連戦でこの峠を西側から越えた。七保峠から下りてきて、宮川の支流の藤川そして藤坂峠へ行く県道46号線にぶつかるあたりの標高は100mあまり。右折して藤越の麓である木屋の集落を目指す。

木屋の集落はすぐだが、その手前の道路の右側に水場があった。神の口延命地蔵給水は地元優先 木屋区と看板があり、地蔵尊と水の噴き出し口がある。ありがたい。

木屋では左にそれて藤越の県道151号線に入る。標高は130mあまり。


ツツジの咲くそばを上る

しばらく渓流沿いに行く。道は1車線ほどだがその割には通行はある。

この峠もさっきの七保峠と同じくフジとツツジとヤブデマリの花が多いが、1箇所だけカマツカとガクウツギの花も見かけた。草ではさっきは見なかったスミレ(正確にはたぶんタチツボスミレ)やマムシグサをややよく見る。あと気づくと(もちろん花は咲いていないが)マツカゼソウをよく見る。

マツカゼソウは秋の花。


広い空の下を行く

未整備な道で新緑の山に分け入っていく感じはやはり楽しい。道はやがて折り返して斜面に上りつく。明るい林が続くが眺望は開けない。しかし徐々に空が広くなってはくる。


鞍部鞍部のそば

やがて鞍部に到着。浅い切り通しになっていて度会町の標識がある。左右に林道が分かれている。切り通しを抜けると多少行く手の眺めがあるが、展望があるとまでは言えない。


暗い林の中の下り

さて出発。鞍部付近の眺めはそれで終わりで、あとは眺めは何もない。やや暗い林の中を下っていく。上りと違って路面が濡れている箇所が多い。

しばらく下ると道は谷川沿いになる。右側に川上の清水 倭姫伝説の神水という看板が出ており、沢に石を組んで噴き出し口が作ってある。飲んでみたが、何だかくせのある味のようにも感じた。


電気柵に囲われた田んぼの脇を行く

小さい集落があり、谷間に水田が開けてくる。水鏡のようなそれは美しいが、電気柵で囲われていることはこの地域の動物の害の多さを物語っているだろう。そう言えばこの近くでは道の脇の法面でサルの集団に出会ったが。

やがて県道22号線にぶつかって峠道は終わる。標高は80mを切るくらい。おれはさらに鴻坂峠に転戦するために左折した。右折すると能見坂(野見坂?)を経て海に出ることができる。

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2016年11月10日初版