和田峠

めちゃくちゃ急峻な未整備観光峠

読み方わだとうげ
標高690m
位置神奈川県相模原市・東京都八王子市
道路神奈川県道521号線・東京都道521号線
水系相模川・多摩川

実走日2005年4月29日(金)
地図などGoogle Maps地図院地図

和田峠は陣馬街道の東京都・神奈川県境にある峠である。これもおそらくは東京都を代表する峠のひとつで、行楽シーズンの休日ともなれば、鞍部が陣馬山の登山口になっていることもあり、ハイカーが大勢やってくる。自転車もよく見かける。

しかし、勾配は非常に急で(入山峠の比ではない)、越えるのは意外とハードである。道幅も狭く走りにくい箇所もちらほらある。しかし東京都の峠とは思えないほどに雰囲気はあるので探訪派にもお勧めしたい。

鎌沢の集落

藤野の市街地の国道19号線(標高190m弱)から沢井川沿いに北へ入り、和田峠を神奈川県側から目指す。正面の新緑の美しい山が目に入ってくる。静かな山村が静かな道の脇に続く。人家の周辺では、八重の桜をはじめとしていろいろな花が咲いている。

上野原から来た道が合流するが(本当はこちらが県道521号線に合流したのだが)、相変わらずのどかな集落が続く。特徴的なのは茶畑だ。徐々にきつい坂が現れてくる。谷を挟んで反対側の見上げるような斜面に集落が見える。

途中、ちょっと楽しそうに思えたので、県道と川を挟んで反対側の鎌沢の集落を経由してみた。1車線のめちゃくちゃな急坂の道沿いに集落と茶畑がある。


和田の集落

やがてさまざまな花に彩られた和田の集落を通過。勾配はすでにかなりきつい。やがて、ヘアピンが連発し、これから上る道と今まで上ってきた道の眺めが続く豪快な山岳路になる。


ヘアピンカーブ

新緑の山の眺めと、ぽつりぽつりと咲いているヤマザクラと、そしてぐねぐねいっている狭路。この眺めはまさに深山の本格的な峠のものである。なお勾配標識は12%とか13%とかがある。勾配は本当におおむねきついのだけれど、風の息のように、きついところとやや緩いところが折り交ざって現れる。


天気によっては富士山が見えていたかもしれない地点での眺め鞍部

鞍部の近くになると、これまで上ってきた谷を見下ろすポイントがある。看板に富士山の撮影スポットと書かれていたが、残念ながら春の霞と逆光のせいでその姿を見ることはできなかった。

さて、最後のへアピンを上り切ると鞍部。林の向こうに青い空が透けて見える。桜の木が路傍に立ち、はらはらと花びらを散らせている。そういえば峠でリアルタイムで桜が咲いているのは初めての経験ではないだろうか。それを見上げつつ、1軒だけある峠茶屋で買った缶のサイダーを飲む。


関東平野の眺め

東京都側の下りはかっとばし厳禁である。狭めの1.5車線ほどのワインディングで、薄暗い林が続くため見通しも悪く、そのわりに自転車やらハイカーやら離合のために停車している自動車やらバイクやらに遭遇する率が高いのだ。

途中に1箇所だけ関東平野の眺めが広がるポイントがある。それ以外は基本的に林の中の激坂道である。ただ不法投棄厳禁とか書かれた看板がやたらたくさんあったりするところは入山峠と同様、東京の峠なんだなあと思う。

やがて集落が現れてきて、陣馬高原下バス停で峠道としては一息つく。しかしこの先も道が狭い箇所が多く、その上バスなんかがやってくるのだから、かっとばしはやはり厳禁なのだ。

夕やけ小やけふれあいの里あたりから道は広くなるが、川原宿まではのどかな山村が続く。

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2005年5月14日初版 / 2015年1月8日更新