白石峠
誰もいない藪道の奥の人だかりの峠
読み方 | しろいしとうげ | |
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標高 | 760m | |
位置 | 埼玉県秩父郡東秩父村・比企郡ときがわ町 | |
道路 | 埼玉県道172号線(ときがわ町側) | |
水系 | 荒川 | |
実走日 | 2012年4月8日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
白石峠は、東秩父村を流れる槻川の源頭部にある峠である。東秩父村からときがわ町に直接抜ける唯一の峠ということにもなるが、両町村間の連絡という意味で使う人はまずいまい。しかし道がいっぱい集まっている峠でもあり、ある意味で(レジャー客にとっての)交通の要衝でもある。
この峠に行く方法はたくさんあるので、どのように行くか迷ったが、以下のように考えて走るルートを決めた。
- 北側(東秩父村側)について。麓の集落は白石である(これは定峰峠の麓の集落でもある)。ここから峠へ直登する車道はないわけだが、最も峠道的な道筋としては、白石から七重峠に向かう林道荻殿線で白石峠の近くまで来て、そこから藪道を行くというのがある。
- 南側(ときがわ町側)について。どのように下るのが本来の峠道だったのかは全然わからないが、まあ県道172号線で道なりに行くのが自然だろう。
峠道としては、北側の七重峠の峠道や藪道は通行がとても少なく眺めもいい。一方で南側の道はとても自転車の交通量が多い。
さてそういうわけで、去年七重峠に行ったときと同じように、白石の集落から林道荻殿線に入った。入口の標高は310mあまり。
勾配はそこそこきつい。通行がまったくといっていいほどないのはいいことだが、定峰峠の峠道の自動車とバイクのエンジン音が聞こえなくなることは一瞬たりともない。
明るい林の区間が多い。途中から右側に定峰峠や秩父高原牧場方面への眺めが出てくる。やがて正面に七重峠の道のガードレールを見上げ、次にはその手前の折り返しの1段上の道を見上げる。それを上っていくと北方面の眺めがよくなる。右手奥に白い山が見える(今調べると白根方面の横手山らしい。ちなみにこの写真には写っていない)。
やがて白石峠への藪道の入口に到着。コンクリートブロックによるバリケードが置かれている。その向こうの道は記憶以上に藪っぽい。行きたくなる道かどうかといえば否であるが、まあしかたがない。少し休んで出発。この地点の標高は640mほど。
最初のうちは枯れススキが多いが少し行くとそれは減る。バリケードがあるから当然かもしれないが、四輪車の轍はない。いかにも人の踏み跡という感じの道になっている。もっとも、道の脇には古いが土留工が施してあるところもあり、もともと車道だという痕跡はある。
右手の眺めはとてもよく、広々と白い山々の眺めが出てくるのだが、なかなかすっきりと開ける箇所はない。今調べると、右手には上越国境の仙ノ倉山あたりから東側の山々が見えていたようだ。そしてよく見ると左側では浅間山が秩父高原牧場の稜線の上に頭を出し、さらに左側では両神山の右奥彼方に蓼科山の白い頂が見えている。
道は上りっぱなしではなく下りも交じる。いずれにしても急坂ではない。しかし路面には木の枝が覆い被さり、落石は多く、路面全体を覆う水溜りもある(カエルの卵がいっぱいあったので、ざぶんと横切ることはせず、脇をそろりそろりと通った)。また1箇所だけだが日陰には雪が残っていた。
やがて鞍部に到着。けっこう広く、あちこちからアスファルトの道が集まっていて峠らしい風情はない。白石峠の標識はある。
この峠は何といってもロードレーサーが多い。それを横目におれは昼食のパンを食べる。食べ終わる頃にはさらにロードレーサーは増え、全部で20台くらいになる。
さて行くとしようか。
初めのうちは、関東平野が少し見える箇所がちょっとあるくらいであまり展望はない。面白いところでは、白石峠を起点として0.2kmごとに距離標がある。これはちょっとやりすぎではないかと思う。
かなりきついヘアピンの下りもあり、頭上に2段、眼下に1段の道を見下ろす箇所がある。颯爽と風を切って下る最中、随分多くのレーサーとすれ違う。
やがて右手に斜面上の集落とその下を進む道が見えてくる。折り返してその風景の中を進み、やがて刈場坂峠から来た道に合流する。まだ下りは続くが峠道としてはほぼ終わりであろう。合流点の標高は220mあまり。
2012年7月26日初版 / 2012年11月9日更新