大ダワ
探訪派には絶対の本格派峠
標高 | 994m | |
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位置 | 東京都西多摩郡檜原村・奥多摩町 | |
道路 | 林道鋸山(神戸)線 | |
水系 | 多摩川 | |
実走日 | 2005年10月23日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
大ダワは、多摩川の大支流である秋川の筋と多摩川本流筋を隔てる尾根にある峠である。梅野木峠とは同じ尾根筋にあることになる。
東京を代表する峠をひとつ選ぶことになったら、多くの峠野郎がマッハでこの大ダワを選ぶと思われる。小径が林を突き抜けて進み、やがて山腹を折り返しつつ進み、そしてしんとした尾根を越える。それだけだが、それで十分である。
林道峠ではあるが現在は全舗装である。そうはいっても特に奥多摩側にはかなり路面の悪いところがあるので、ロードレーサーは要注意だろう。
おれは檜原側からこの峠に上った。標高200m弱の五日市の街から秋川沿いに西進し、本宿からは北秋川に沿って進んでいく。この時点で川の水はとても美しく澄んでいる。本宿までは他の自転車が多かったが、多くは風張峠へ向かったのだろう。ここへ来るとほとんど会わなくなった。
やがて神戸(かのと)岩への道の分岐に差しかかる。ここからは神戸岩を目指して神戸川沿いに上っていくわけである。集落もある中をじりじりと上る。道はかなり細く、1車線程度しかないところもあり、秘境めいてくる。楽しい気分だ。
やがてロッジ村のようなものを過ぎ、少し進むと見上げるような岩壁が目に入る。神戸岩だ。今これを書きながら思い出すと、田口峠にあった狭岩に似ているかもしれない。
それを過ぎると短いトンネルがある。短いのはいいが狭く真っ暗で上り坂でかつ曲がっている。それを抜けると林道鋸山(神戸)線の入口である。林業関係車以外はご遠慮くださいと書いてはあるが、ゲートの類はない。
1車線の林の中の道を進む。沢沿いの道である。林が濃く、路面にはあまり陽が当たらない。勾配はけっこうきついし、路面もけっこう悪い。しかし爽快な道である。
落書きとか不法投棄防止のためのフェンスとか、入山峠や和田峠にはあった東京の峠らしさはこの峠にはない。とは言うものの青すぎる空からときどき甲高い戦闘機の音がする。横田基地が近いからか。
やがてヘアピンカーブが現れ、水音は足元はるか下に去る。それとともに道は林の中から抜け出す。左手に広い谷が広がる。これまで上ってきた谷、そしてこれから上っていく山腹を眺める。
この写真だが、左手にこれから上っていく道のガードレールが写っている。山伏峠のような高度差よりも、懐の奥深さを感じさせる。
しばらく楽しい気分で登坂を続けると、やがて坂が緩くなり切り通しの鞍部に到着。意外とたくさん自家用車が停めてある。登山者のものだろう。
なお鞍部には大ダワ 994米という木の標柱がある。多くの地図には名前が出ていないこの峠であるが、名前は大ダワで決定でおそらくいいだろう。
この峠も梅野木峠と同様に徒歩道が交差している。そこを少し入り、切り株に腰掛けて昼食とする。ここならば標高1000mはあるかもしれない。
下りは山腹走が長く続く。おそらくは檜原側よりも急峻だろう。舗装されているのは同じだがその状態はかなり悪い。途中、反対側から上ってくるMTBの軍団に出会ったのだが、大部分は自転車を押しているかあるいはよたよたとペダルを踏んでいた。大丈夫だったんだろうか。
やがて氷川(奥多摩町の中心集落)を見下ろし、そしてその中に入っていく。奥多摩駅の標高は329.5m。
2005年12月1日初版 / 2010年4月7日更新