赤根峠

雪国めいた静かな峠

読み方あかねとうげ
標高800m
位置群馬県利根郡みなかみ町・吾妻郡高山村
道路群馬県道36号線
水系利根川

実走日2017年4月30日(日)
地図などGoogle Maps地図院地図

赤根峠は、群馬県北部にて、利根川の本流筋と、その大支流である吾妻川のさらに支流の上流にある盆地(中山盆地)とを隔てる峠である。大道峠の東隣にあたるが、すぐそばというわけでもない。鞍部にはトンネルがあるが、旧道も残っている。

おれが新潟県出身だからかどうか、この峠道には、どことなく雪国の雰囲気が感じられる。それ以外は……特に眺望もなく、特に歴史があるとかいうわけでもないが、何となく好きな峠ではある。

上越国境の山々を見る

おれはこの峠を北側の月夜野方面から越えた。道に迷ったりといろいろあったが、ともかく利根川右岸の高台にある県道36号線を南下する。あまり交通量は多くなく静かである。少し狭いところもあるが2車線はある。

まだ少し桜は残っている。菜の花がけっこう多い。周囲はりんご園だらけだが、リンゴの花はまだほとんど咲いていない。道端にはタチツボスミレが咲いているところがある。右側に前方から後方まで残雪の白い峰が断続的に見える。

この写真では、中央右寄りにある最も高い山(ちょうど電柱が被さっている山)が谷川岳である。


タンポポの咲くりんご園の向こうに上越新幹線と谷川岳を望む

道なりに行くと県道253号線に入ってしまうので途中で間違えずに右折しなければならない。ここから峠道が始まる。標高は450mあまり。

さてここからは、ややこしいのだが、

わけがわからないよ、と思う読者は、大縮尺の地図を見てください。

それはともあれ、最初はじりじりと上る。右手の雪山の眺めはなかなかいい。タンポポの咲くりんご園の向こうに上越新幹線の線路と谷川岳が見えている。新幹線ファンにとってはこれは垂涎の撮影ポイントではないだろうか。

新幹線の線路は、この写真だと自転車のやや後ろ上方に写っている。本当にここで写真をものにしたければ、超望遠レンズが必要である。


オオタチツボスミレカラマツのあるワインディング

堤を過ぎて少し右カーブしたあたりで左折して旧道に入る。斜面をワインディングで上っていく新道と異なり、こちらは直登するのでかなりきつい。

少し行くと地図上は県道を横切るのだが、横切った先にはこの先通り抜け不可というような看板が出ている(上記の2つ目の区間)。ここはしかたなく新道を行くことにする。ここまで来るともうあまり眺めはよくない。

さてまた少し行くと左に旧道が分岐しているのだが(3つ目の区間)、地形図上だと十字路なのに左への分岐しかないので、さっきの通り抜け不可の道(2つ目の区間)は本当に消滅しているらしい。入らなくてよかったと思う。

左折して林の中に入り、また県道を横切ってさらに上る(4つ目の区間)。ヘアピンカーブなどが現れ、峠道らしくなってくる。針葉樹の林の中の道だが、あまり薄暗くはない。気がつくと針葉樹はヒノキなどだけでなくカラマツもある。あとこのへんでは道端にタチツボスミレではなくオオタチツボスミレを見たと思う。

オオタチツボスミレはおれの故郷の新潟県にはいくらでもあるが、首都圏ではお目にかかったことがない。雪国のスミレというイメージがある。


トンネル部分の旧道

しばらく行くと正面やや上方に橋を見上げる。これは赤根トンネルの手前の橋である。そこに上りつくと、トンネルの上にこれから行く旧道のガードレールが伸びているのが見える。この地点の標高は680mあまり。

その県道との最後の交差点を横切って、赤根トンネル部分の旧道に進む。ここからは路上にヒノキの赤茶けた枯葉がたくさん落ちていて、何だか心もとない。しかし勾配はかなり緩くなった。

楽しい気分で明るい林の中のヘアピンをクリアしながら進む。1段上の道のガードレールが見える箇所が何箇所かある。一方で、見たい見たいと思っている後方の白い雪の尾根については、木々の向こうに少し見えるくらいでしかない。鳥については、シジュウカラの声がよく聞こえる。


鞍部

やがて鞍部に到着。赤根峠 標高840mの木の看板と、高山村の村界の標識がある。林の中で、特に眺めはない。


下りのワインディング

下りも似たような道だ。下り区間に入ったことで、ある程度スピードが出せるようになって気づいたが、この道にはガードレールがない箇所がかなりある。

少し行くと道は突き当たりに出る。下りは左折なのだが、右折は0.5km(!)で金比羅峠なのだ。そんなに近いのなら、どんな峠なのか様子を見に行ってみようかとも思ったが、ぐっとこらえる。それは次回のお楽しみということで。

さてそれを過ぎて少し行くと新道に出る。ちょうどそこには赤根峠ポケットパークというパーキングがあり、トイレなどもあるようだ。


盆地に出る

飛ばして下る。交通量はそう多くないし、道幅は立派な2車線あるので走りやすい。少し行くと道路標識に道の駅 中山盆地の文字がある。中山盆地? ちょっと変わった道の駅の名前だが、確かにそう言われてみると周囲の風景は盆地だ。高い山脈はあたりにない。道の両脇にはまだ田起こしもほとんどしていない田んぼが広がる。

道は標高550m付近で国道145号線と交差する。それを少し行ったところに件の道の駅はある。

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2017年7月6日初版