津黄峠
海と棚田のある峠
読み方 | つおうとうげ | |
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標高 | 199m | |
位置 | 山口県長門市 | |
道路 | 山口県道66号線 | |
水系 | 掛淵川 ※南側の水系のみ書いてあります。 | |
実走日 | 2013年9月28日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
津黄というのは長門市の北に突き出た半島の海岸にある集落で、そこから南側に抜けるところにあるのがこの津黄峠である。だから下峠と同じように海がちらちら見える非対称峠か、というと、まあ峠自体はその通りだ。
でもこの頁では以下の理由によりその前後の道筋の紹介もすることにする。これらを含めると下峠とはだいぶ違う道になる。
- 津黄峠だけだと尺が短い。
- 津黄の集落に峠の反対側から到達する道はほぼひとつしかないので、その道も自動的に峠とセットで走ることになる。
- 峠道から少しだけ足を伸ばせば、有名な棚田の展望台がある。
おれはこの峠は津黄側、つまり海側から越えた。その津黄の集落には西の大浜方面から到達した。上記の通り、津黄に海沿いに到達するにはそちらから来るしかないので、これもあわせてここで紹介することにする。
大浜の坂上(標高は42m)から津黄への道に入る。じりじりと上るがそれほどの急坂でもない。ゴンズイの赤い実が割れて黒い種が剥き出しになっているのをよく見かける。
やがて海側の眺めがやや開け、後ろに大浜の海岸やその向こうの川尻の集落が見えてくる。さらに行くと開けた斜面の中の道になり、棚田、人家、海、そしてそれらを見下ろすような高さにある風力発電の風車、という眺めになる。交通量も少ないし、道は狭くて田舎道じみていてなかなか楽しい。
大きめの集落(宇津賀郵便局がある)を過ぎ、少し行くと東後畑(ひがしうしろばた)の棚田展望台への分岐にさしかかる。ここは悩みどころだ。棚田展望台へはここからも津黄峠からも行くことができる。どちらのピストンがいいかというところだが、しばらく考えた末、後者ということでここは素通りすることにする。
標高はこの付近で140mほどに達するが、ここからは道は緩くやや下る。この周辺はやたらに溜池が多いのだが、その中でもかなり大きなものがあり(大堤)、その岸に沿って回るあたりはかなり変な気分がする。向こうに海があってこちらに池があって、その間を道が通っているという感じだ。
下りこんでいく。後方の川尻岬方面の眺めがいいが、そちらは陽が当たり始めている。
やがて津黄の集落を通過する。この道沿いにはあまり人家はなく(集落は道路の海側にあるようだが、道路からはよく見えない)、連続した上りが始まったことで、津黄の集落を通過して津黄峠の上りが始まったことを知る。なお標高は最低部では40mを切っている。
最初はこれまでと同様に背後に川尻岬方面の眺めがあるが、折り返して上っていくと、これから上っていく道の黄色いガードレールが右上方に伸びているのが見える箇所がある。おう、これはなかなかシンプルな道筋だな……。
さっきはほとんど様子がわからなかった津黄の集落や漁港を眺め下ろしつつ進むとやがて林の中になる。ここでもゴンズイを見かけた。
やがて特に何もない浅い切り通しの鞍部に到着。ほんの少し下ると十字路があり、左が千畳敷、右が棚田展望台となっている。棚田展望台までは2kmとある。
とりあえず右折して棚田展望台を目指す。林の中を軽く上って進むと田んぼや溜池があり、眺めが開けてくる。そして緩く下ると左に大きめの溜池があり、右手の展望が大きく開ける。小さな駐車場と東屋がある。ここが棚田展望台のようだ。
ここからは海と溜池と棚田を一望にできるが、まあ、津黄までの道を走ってきた身からすると、びっくりするような眺めではない。なおここの直下にはさっきその縁を走った大堤があり、道路も見えている(写真の中央部)。
西側だけだった晴れ間が、ここで風景を眺めている間にどんどん頭上に広がり、やがて一面の青空となった。峠道を走っているときに晴れてくれよとそのときは思ったが、これはこれでよかったのかもしれない。この日晴れたのはこの瞬間だけだったからだ。
さて出発。来た道を引き返して津黄峠の直下の十字路へ。右折してそのまま下る。道は広い。かなり急な坂のワインディングで、ちらちらと下る先の小さな平野を眺める。見えている田んぼの中へ下りていくと標高は10m台となる。
2013年12月12日初版 / 2015年3月12日更新