椋浦峠

瀬戸内海のただ中の峠

読み方むくのうらとうげ
標高117m
位置山口県尾道市

実走日2014年9月13日(土)
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椋浦峠は瀬戸内海に浮かぶ因島にある小さな峠である。……率直なところ、これをわざわざ越えようという旅行者はヘンタイだと思う。峠マニアの人だけ目指してください。

因島大橋を見ながら行く

おれは尾道から向島に渡船で渡り、そこから因島大橋を渡って因島にやってきた。自転車の通行料は時限つきで無料になっている。因島大橋だけでなく他の橋もだ。しまなみ海道売り出し中、ということなのだろうが、ありがたい話である。

ここからは海岸線を時計回りに掃いていくつもりである。左後方に因島大橋を見つつ進む。さっきの向島では感じなかったが潮の香りがする。少し行くと水軍スカイラインの標識が出てくる。それに従って左折して進む。あまり人気のない感じの崖上の道となる。道沿いにはクズの花が多い。ワンアップワンダウンで鏡浦に出て、そこからまたワンアップワンダウンで椋浦に出る。


椋浦の集落「申し合わせ一方通行」

その物音のしない集落で右折して上りにかかる。少し行くと申し合わせ 一方通行 →という看板が出ていた。峠へ向かう道は2本あり、右側通行になっているというわけだ。

写真を撮っていると自動車がやってきて、おじさんが顔を出し、どこへ行くのか、これきついぞ、海沿いの方がいいんじゃないのか、まあ海沿いもきついけどな、という話をしていった。まあ確かに海沿いの水軍スカイラインを行かずにこの峠を越えようというのはアホには違いない。


椋浦の集落とその向こうの海を見る

1車線の集落道を行く。集落を抜けるとみかんの果樹園になっている。振り返ると海が見える。じりじり上るとさっきの一方通行の片割れの道と合流して勾配は本番となる。

ワインディングがあり、上っていくと背後の眺めがどんどんよくなっていく。椋浦の集落と海、そしてその向こうの島々と本州だ。それにしても、麓ではツクツクボウシの声がよく聞こえたが、峠道ではカラスの声の方がよく聞こえる。


鞍部の東屋

じきに切り通しの鞍部に到着。鞍部の向こうには東屋があり、三庄湾と三庄の集落を見下ろす。その中には船の形をした造船所も見える。瀬戸内は本当に造船所が多い。


三庄への下り

鞍部を越えて少し下るとさっきの水軍スカイラインに合流する。右折して三庄へ下る。ここからは島を横断することもできるが、せっかくなのでそのまま時計回りに海岸線を掃いていくことにする。

造船所の裏を抜け、狭い道をじりじり上りつつ行くと地蔵鼻だ。ここには海岸へ下りる道がある。途中、大量の石の地蔵が並べられているところがある。海岸に出ると水はとても美しい。湾のすぐ向こうにはさっき越えてきた椋浦峠がよく見える。こうやって越えてきた峠を振り返るのもなかなかいいものだ。

ここには因島観光案内図という大きな看板があり、そこには椋浦峠の文字があった。

そうこうするともう正午近い。今日中に今治に着くのか、おれは……(最終的には、夕方だったが着くことはできた)。

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2015年1月29日初版