日南瀬峠
特に変哲のない田舎道峠
読み方 | ひなたぜだお | |
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標高 | 400m | |
位置 | 山口県萩市 | |
道路 | 山口県道359号線 | |
水系 | 阿武川 | |
実走日 | 2014年10月19日(日) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
萩と山口を結ぶ国道262号線が分水嶺を越える少し手前に日南瀬という集落があり、日南瀬峠はそこへ国道沿いにではなく真北から向かうところにある。とてもローカルな峠だが、国道262号線が混んでいるときには抜け道として使えるかもしれない。現におれはそういう使い方をしたのだし。
未整備で人気のあまりない、どこにでもありそうな峠道である。
大縮尺の地図を持っていなかったので、この峠の読み方は帰ってきてから知って驚いた。てっきりひなせとうげかひなせだおだろう、と思っていたからだ。
おれは日南瀬のさらに下流側にある佐々並(ささなみ)の集落で国道262号線に出た。この国道で日南瀬まで上るつもりだったが、見ているとけっこう交通量が多い。これは面白くないかもしれんなあ、ということで、大迂回をして日南瀬峠を北から越えることにした。
ちなみに佐々並には道の駅があってなかなか繁盛している。標高は230mほど。国道で佐々並川の右岸に渡って左折すると、佐々並市の集落を通過する。実に地味だが味のある集落だ。ここは萩往還の宿場町なのだ。
細い道を少し進むと橋で県道359号線が合流してきた。1車線くらいしかない。意外と日南瀬峠は悪路なようだ。それはそれで歓迎だ。
最初は田んぼなどもあるがほとんど人の気配はない。やがて渓谷の道になり耕地もなくなる。今回の旅ではよく見かけると思うがハクセキレイが飛び、路傍にはノコンギクの花やガマズミやゴンズイの赤い実がある。
少し行くと左上から立派なガードレールのある道が下りてきて、それに突き当たるようにして合流した。その道には緑資源幹線林道という標識が出ている。どっかで見たような……宮崎だったかな? いずれにしても、その道は左側だけのようであり、右側の日南瀬峠への道は細い県道である。
緑資源幹線林道は、帰ってきて調べてみたら、やはり宮崎県の奈佐木峠で見たものだった。
ここからは谷は少し開けて田んぼと人家がある。佐々並に来る前に越えた無名峠の風景とほとんど変わらない。
佐々並に来る前に越えた無名峠というのは、県道312号線(県道32号線の雲雀峠の東側の麓から佐々並に向かう道)にあった標高380mの峠のこと。雲雀峠を越えてから国道262号線に入って佐々並に出るコースの標高は最高で410mほどあるので、そちらより楽なのだった。
それらの風景が背後に去ると道路は2車線ほどと広くなった。じきに鞍部に到着。ここでは2車線に加えて両側に広い路側帯があり、やけに広々としている。
ここで昼食にしよう。日陰に立って前日美祢市の厚保(あつ)でもらった焼き栗を食べる。むくのは少し面倒だが、ガラはそこらにぽいぽい捨てても問題ないだろうから気楽である。それにしてもおいしい。
日陰で食事にしているのは直射日光が暑いからだが、日陰は日陰でちょっと寒い感じではある。
さて下り始める。下りは短いが妙に直線的である。細い道なのにおれは40km/h以上を出した。
すぐに日南瀬で国道262号線にぶつかる。標高は332m。そのまま国道を横切って今度は県道62号線でおれは板堂峠に向かう。
2015年4月30日初版