三の山峠
絵葉書的美風景が展開する緩やかな峠道
標高 | 476m | |
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位置 | 北海道富良野市・空知郡南富良野町(上川管内) | |
道路 | 国道38号線 | |
水系 | 石狩川 | |
実走日 | 1994年7月26日(火) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
三の山峠は、富良野から狩勝峠の麓の幾寅へ抜ける国道38号線の峠である。別段展望がいいというわけでもないし、峠としてもどうという手ごたえのないものなのだが、富良野市側のなだらかな畑の風情はいい。2桁国道ではあるが交通量も多くはない。
この峠は、地図には樹海峠という名前で載っていることの方が多いと思われる。それでこのサイトでもかつては樹海峠という名前で載せていたのだが、やはり現地では三の山峠という表記しか見なかったこともあるので、三の山峠という名前で掲載することにした。
夏の富良野はたいへんな人出だが、それを離れて国道38号線を南下すると意外なほど静かで落ち着いた畑が広がっている。
写真は空知側本流から離れた西達布川の谷間の光景。谷は広く、そこに広がる非常に美しい畑の中を軽いアップダウンで進む。峠という雰囲気はない。絵本の世界のようだ。
写真に写っているバス停の名前は開拓地という。あたりの風景とあいまって気分が盛り上がる。
また、この界隈にはすみれたちばなつつじのぎくなど、ひらがなの植物名の地名が多いのも特徴だ。
しばらく行くと畑は尽き林の中になる。滝川から91km地点に三の山峠という標識を発見。最初上りの途中なのに峠?と首を傾げてしまったのだが、結局この標識はここから峠道の本番ですよというような意味のものだった(北海道にはこの手の標識はけっこうあった。例えば近所の金山峠や日高峠、道北の下川町の天北峠はそうだったはずだ)。
ここからの上りは人が変わったようにきつくなる。滝川から94km付近が鞍部。その右カーブの外側に、樹海と大書された石碑がある。なるほど眼下は見事な東大演習林だが、展望というほどのものはない。
ただの推測だが、この峠自体は徹頭徹尾三の山峠だったにもかかわらず、この石碑のせいで樹海峠と地図に掲載されるようになってしまったのではないか。
あとは南富良野町幾寅の市街地まで下るのだが、幾寅自体の標高が350mほどあるので、その下りはあっという間に終わってしまう。
富良野からこの幾寅へは、樹海峠まわり以外にかなやま湖まわりというルートもある。どちらが楽かは何とも言えない。かなやま湖は人造湖だが、静かな雰囲気と設備の整ったキャンプ場がなかなか魅力的だ。
2002年3月12日初版 / 2005年5月22日差替 / 2015年1月8日更新