オロフレ峠

展望と霧が名物の観光峠

読み方おろふれとうげ
標高920m
位置北海道有珠郡壮瞥町・登別市(胆振管内)
道路北海道道2号線
水系長流川・登別川

実走日1995年10月1日(日)
地図などGoogle Maps地図院地図概略図

オロフレ峠は、登別と洞爺湖の間にある有名な観光峠である。北海道西南部の峠としては最高の標高を持っている。かつてはトンネルなしで920mの鞍部を越えていたのだが、現在はオロフレトンネルが開通しており、壮瞥側(洞爺湖側)からの鞍部への到達は可能なものの、登別側に下ることはできない(道の跡だけが残されている)。

峠の南東側(登別側)の斜面は、北海道最大の雨量を記録する斜面として知られている(夏期の雨が多い)。霧もよく出るので、遠方から訪れるならば、峠からの眺望については現実的な見込みを持って行くのがいいだろうと思われる。

この北海道らしい峠名は、近くのオロフレ岳から来ている。オロフレ岳の方は、その山腹を下るオロフレベツという川名(アイヌ語)から来ている。面白いのは、オロフレベツは逐語訳で水が・赤い・川であるにもかかわらず、現在の川名が白水川であることだ(この段落の出典は、書籍北海道の地名)。

おれは通常のルートではなく、壮瞥町の蟠渓温泉からダートを直登するちょっと変わったルートをとった。

壮瞥側のダート道路崩壊地点

おれは蟠渓駅前バス停(標高230m)で寝てからこの上りに挑んだ。国道453号線を離れるといきなりダートが始まる。やや坂はきつい。風もなく、鳥の声もせず、非常に静か。ときどき長流川流域方面の眺めがちらちらとある。

ヘアピンの繰り返しで上り始めるあたりからは、坂はむしろ緩くなった。しかし、左カーブを曲がっていくと、ピンクのテープで道がふさがれていた。よく見ると路面が3分の2くらい崩壊している。しかたなく、自転車を押して残りの3分の1をそろりそろりと押して上る。

ヘアピンが終わると勾配はいっそう緩くなった。展望が開ける。秋空と紅葉の始まった木々と明るいダートの雰囲気が何ともいい。そんな道を楽しみつつ上ると、道道2号線にぶつかる。単に登別側へ出るだけならば、左折してオロフレトンネルをくぐればよいのだが、もちろん鞍部を目指すので直進する。ここの標高は860m。


鞍部付近のダート

ここからの道は広いが、水が流れた跡が溝になって残っており、かなり走りにくい。あたりには林はなく、高原状の風景となる。

じきに、道道2号線から分かれてきた道に合流し、鞍部に到着となる。道はここで行き止まりだが、広い駐車場や茶屋があり、眺めもよいのでそれなりに観光客はやってくる。


壮瞥側の展望

この写真は、鞍部から壮瞥側への展望。緩やかな起伏を前景にそびえる羊蹄山の眺めは、この一帯ではありがちな風景かもしれないが、それでもやはり素晴らしい。なお、洞爺湖はここからは見えない。洞爺湖は、道道2号線から鞍部への道が分かれるあたりから見えるのだが、それほどよく見えるわけでもない。


登別側の展望

こちらは鞍部から登別側の眺め。樹海の中を、これから下っていく道が伸びている。なお足元にはかつてこの鞍部から登別側へ下っていた道の跡がはっきり残っていて、痛々しい感じだ。

おれはこのあとオロフレトンネル(長さ935m)をくぐってカルルス温泉に下りた。トンネルの出入口の標高は790m。鞍部に寄らず道道2号線だけで上り下りするなら、最高の標高は、トンネルの壮瞥側で鞍部への道が分かれるあたりの890mである。

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2002年1月7日初版 / 2010年10月21日更新