日勝峠
十勝平野の展望が素晴らしい、物流の大動脈の峠
読み方 | にっしょうとうげ | |
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標高 | 1023m | |
位置 | 北海道沙流郡日高町(日高管内)・上川郡清水町(十勝管内) | |
道路 | 国道274号線 | |
水系 | 沙流川・十勝川 | |
実走日 | 1994年7月27日(水) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
日勝峠は、道央と十勝を結ぶ、北海道の大動脈のひとつにあたる峠である。かつては国道39号線の狩勝峠がその座にあったはずだが、(日勝峠そのものではなく、)この峠の西側の麓の日高町と札幌を結ぶ国道274号線が開通してからというもの、この峠がメインルートとなった。それはそれほど昔のことではなく、平成になってからのことと記憶している(おれが札幌に移住した平成6年には既にそうだったが)。
この峠の名前は日高と十勝から1文字ずつ取ったものだろう。道央と十勝の間の峠としては不思議な感じだが、この峠の西側の麓は日高管内だし、さらにその西側は胆振管内である。ややこしいことに、国道274号線のこのあたりの区間には石勝樹海ロードという愛称がついており、JRの石勝線が越えるのは日勝峠ではなく狩勝峠である。
物流の大動脈の峠ではあるが、観光峠的な一面も持ち合わせている。例えば、十勝側では頂上付近から麓近くまで常に平野を見下ろすことができ、これは本邦屈指のものだろう。ただし、十勝側は霧が多いことに留意する必要がある。現に、この峠を西側から越えて、ずっと晴れていたにもかかわらず、9合目から霧になってしまい、十勝側ではずっと霧の中を下ることになったという人の話を聞いたことがある。
日高町の沙流川キャンプ場(いいテン場!)をスタートし、国道274号線を上り始める。標高は250m。日高町から峠までは40km近いわけであるが、その半分くらいはだらだらとしたもので、およそ峠道という感じではない。だいぶ走ったなという感じのする頃、1合目の看板がある。標高は435m。
前述の通り、ここの国道274号線には石勝樹海ロードという愛称がついており、まあ確かに樹海だからその通りなのだが、トンネルとシェルターと工事区間が連続し、交通量も多く、それほど楽しい道だとは言えない。
4合目(550m)と5合目(660m)の間と、7合目(755m)以降の勾配は比較的きつい。右手に清流として知られる沙流川の源流域を見る。
9合目(940m)の後はカーブした豪快なシェルターを上り切り、頂上に到着。トンネルが口を開けているほか、看板がある程度で、峠の茶屋のようなものはない。
頂上の日勝トンネルを抜けると、ぱっと十勝平野の眺めが目に入る。市街地が見えるのだが、これは清水町である。
下っている間、常に左手に清水町市街が見え続け、しかも下っても下ってもその町に着かないような感じがする。上りと同様、合目表示があるのだが、同じ合目でも日高側とは標高が異なるようだ。
標高760mのカーブの途中に、日勝第1展望台という大規模な休憩ポイントがある。ベタであるがおれも自転車を入れて記念撮影。
この後も、清水町市街まで豪快な下りが続く。大型車がフェード現象(ブレーキが過熱で効かなくなること)による事故を起こしてニュースになっていたような覚えがあるが、実際下ってみるとありそうな話に思える。
相変わらず眺めはよく、十勝側から上ると逆に常に頂上付近が見えるものと推測される。清水町の標高は140mあまり。
2002年1月7日初版 / 2010年4月7日更新