藻琴峠
原始の湖のような屈斜路湖を眺める峠
読み方 | もこととうげ | |
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標高 | 648m | |
位置 | 北海道網走郡大空町(オホーツク管内)・川上郡弟子屈町(釧路管内) | |
道路 | 北海道道102号線 | |
水系 | 藻琴川・浦士別川・止別川・釧路川 | |
実走日 | 1995年6月3日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
藻琴峠は、屈斜路湖の外輪山を北側から越える峠である。この藻琴峠という名前は地図にはあまり出ていないが、一般に用いられる名前のようなのでここでもそう呼んでおく。
屈斜路湖を見下ろす……といえば当然美幌峠が人気・知名度とも断然トップだろう。実際美幌峠の眺めは文句なく素晴らしいのだが、この藻琴峠にもまた別の味がある。周辺の起伏と湖の眺めが絶妙な調和を保っている……といった感じだろうか。
いきなり峠道に関係ない話だが、この峠の北側の麓には芝桜公園がある。芝桜といえば滝上町が有名だが、こちらにはツツジもあって取り合わせがなかなか見事。ただ、大人向けの渋めの観光地という雰囲気の滝上と比べると、こちらはちょっと遊園地的な俗っぽさがなくもない。
ただ、この公園にはキャンプ場と温泉施設も併設されているので、峠越えの基地としてはとてもありがたい。あとは入場料とキャンプ料が無料なら完璧なのだが(それぞれ200円だった)。
さて、上述の芝桜公園を出発。ここの標高は110mあまり。しばらくはじりじりと上っていく。背後のオホーツク海側の眺めが雄大だ。海まで見えるんじゃないかと目を凝らしたのだが、海または陸と空の境界は判然としなかった。
やがて勾配はきつくなる。北海道の整備の行き届いた峠にしては急な方だと思う。あまり最高所が最高所という感じがないのだが、ともかく最高所を越えるとまるで画面がスクロールするように畑や樹々の風景が見える。おれの場合は半分霧の中だったのでどこか幻想的な展開だったのを覚えている。
写真は、下りの途中にある駐車場公園。屈斜路湖がぽっかりと見える。しかしこの眺め自体には美幌峠のような感銘を受けなかったのもまた事実だ。天気が悪かったせいもあるのだろうけれど。
野上峠方面に目を転ずると、とりとめなく広がる畑や緑に包まれた緩やかな山、そして優美な曲線を描く湖岸線の眺めがあり、はっとさせられる。観光地という枠を外して眺めた原始状態の湖……という感じだろうか?
ここから屈斜路湖の湖岸まではあっという間に下ってしまう感じだ。屈斜路湖付近は夏は暴力的なまでに混むので、可能ならシーズンを外して訪れたい。
2002年1月7日初版 / 2010年5月13日更新