江丹別峠
清澄な畑の風景を見下ろす快走峠
読み方 | えたんべつとうげ | |
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標高 | 470m | |
位置 | 北海道旭川市・雨竜郡幌加内町(上川管内) | |
道路 | 北海道道72号線 | |
水系 | 石狩川 | |
実走日 | 1995年5月31日(水) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
江丹別峠は、旭川市と幌加内町を結ぶ整備された道道の峠である。周辺の雰囲気は道央と道北の中間くらいであり、旭川の市街を抜けてこの峠にさしかかると、だいぶさいはてに近づいたような気分になる。
北海道の北部には眺望のよい峠は少ないが、この江丹別峠はその少ない例のひとつである。
ところで、この峠の麓にあたる幌加内町は、個人的には、道内ではトップクラスで好きな場所である。畑の風景が美しく、静かで、ダム湖の朱鞠内湖も素晴らしい。もうなくなってしまったが、かつては深名線といういい雰囲気のローカル線も走っていた。
おれは旭川市近郊の春光台公園のキャンプ場を朝出発した。このキャンプ場はなかなかいいキャンプ場だった覚えがある。
春光台から道道72号線を走っていくと、いったんオサラッペ川沿いの平地に下りて、そのあと江丹別川筋に出るために小さな峠を1つ越える。うばゆり峠という名前がついているようだが、標高は180m程で、峠というほどのものではない。
江丹別川筋に下りると標高は120mあまり。ここからは2車線の典型的な道道峠道が続く。勾配も普通だ。オサラッペ川沿いの水田の風景とは一変し、早くも幌加内を思わせる道北的な畑と牧草地の風景が展開する。
江丹別峠の鞍部の前に小さい鞍部を越え(下りにはならない)、それまで左側にあった山体が右に移る。やがて右カーブにある江丹別峠の鞍部に到着。駐車場がある。
鞍部から少し下ると、幌加内の盆地の眺めが開けてくる。大展望ではないが、幌加内の盆地をこれだけ見下ろせる道が他にないのもまた事実なのだ。
右手には、今越えてきた尾根が屏風のように連なり、風を切りつつそれを眺めていると、遠くへ来たなという感慨が湧く。
道道72号線を道なりに進むと、当時あった深名線の踏切にさしかかる。踏切の脇には新成生(しんなりう)駅があった。仮乗降場あがりの駅としてはごく標準的なたたずまい(つまり駅寝にはあまり向いていない)。この約3ヶ月後に深名線は廃止された。
なお、新成生駅の標高は160mほど。このあとすぐ国道275号線に合流して北に40kmほど進んだ朱鞠内でも、標高は250mほどしかない。その間、美しい畑の中にあたかも自分専用であるかのようなゆったりとした道が続く。この道路の整備が深名線廃止の引き金を引いたことを考えれば複雑な気分ではあるが。
2003年1月23日初版 / 2010年5月13日更新