タラガ谷越
誰も通らない旧道峠
標高 | 660m | |
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位置 | 岐阜県関市・郡上市 | |
水系 | 木曽川 | |
実走日 | 2012年10月13日(土) | |
地図など | Google Maps・地図院地図 |
タラガ谷越は、長良川の支流の板取川の上流域から、郡上八幡のある長良川本流筋に抜ける道にある。2007年までは国道256号線がトンネルなしで鞍部を越えていたが、2007年にタラガトンネル(4571m!)が開通し、鞍部を越える道は旧道になった。
旧道はまあ峠道としては普通のものだが、異様に交通量が少ないということは書いておかなければならない。
おれは、美濃市から郡上八幡に向かう際に、長良川沿いに行かずにこの峠を回っていくことにした。
美濃市から板取川沿いに行く。県道81号線という道があるが、おれは洞戸までほとんどその対岸の道を走り通した。ぽつぽつ集落があり、おとり鮎の看板をよく見かけるが、それほど釣り人をたくさん見るわけではない。製紙工場を見かけるのは美濃和紙の関係か。面白いところでは、○○化成とかいう化学系の工場をときどき見るのだが、何を作っているのだろうか。
洞戸からは国道256号線に入って北上する。意外と交通量はあるように思う。ロードレーサーの軍団も通りかかる。ぽつぽつ食事処があり、昼であれば食事の心配はしなくてよさそうだ。
板取川はなかなか美しい。
かつての板取村の村域に入ってしばらく行くと、老洞(おいぼら)で板取川に橋が架かっている。右折してそれを渡る。そこの標高は268m。ここからがタラガ谷越の峠道だ。最初から1.5車線の上りである。スギやヒノキの林が続き眺望はない。右にずっとタラガ谷が寄り添い、水音はするが、あまり川沿いという雰囲気でもない。
しばらく行くとヘアピンカーブで折り返して山腹に上りつく。最初のうちは相変わらず林が続き、水音が遠ざかったくらいでほとんど雰囲気は変わらないが、少し行くと正面上方にこれから上る道のガードレールが見えてきたりして、徐々に明るい感じになってくる。
さっき見上げた地点まで上るとこれまで走ってきた方面への眺め(ただし山ばかり)がある。
秋だから木の花は何もない。ヤマブドウに似た実を見かける。路傍には野菊が多い。
やがて鞍部に到着。郡上市の標識と尾根を行く徒歩道への分岐がある以外、特に何もない。
休んで下り始める。少し行くと左側の眺めが開ける。彼方に特徴的な形の山影が見える。あとで調べてわかったことだが、これは御嶽である。
肉眼だと目立つ山だったのだが、こうして小さい写真にしてみるといまいち。ところでおれは飛騨の山奥で立派な山を見るとバカの一つ覚えのように乗鞍と思ってしまう習性があるようで(苅安峠参照)、このときもそう思ったのだが、そもそもここは飛騨でさえないよな……。
こちら側の道は上りの道よりは開けていて、ヘアピンカーブの連続を下っている間、上の段や下の段の道も比較的よく見える。なお上りとは違って待避所がいくつも設けられている。
なお、こちら側で道に寄り添う川の名前もタラガ谷である。峠の両側で同じ名前の川があるのは、……、変わっている気はするが珍しくはないかもしれない。
やがて、思ったよりも早く国道256号線に合流する。すぐそこにタラガトンネルが口を開けている。それにしても、旧道に入ってからここまで他の通行者にはまったく会わなかったが、かといってタラガトンネルの通行量も多いわけでもない、いやむしろ非常に少ないようだ。
さて下る。狭い区間もあり、大型車通行止になっているが、3桁国道だからまあそんなものだろう。なお狭い区間はそれほど長くはない。
東海北陸自動車道の下をくぐって踏切のそばに出る。これを渡れば国道156号線に合流する(交通量が多いので対岸の県道61号線を行く方がいいと思うが。ただし狭い)。標高は190mほど。
2013年1月31日初版