マイルーム (北海道編)

上幌延駅付近で見た夕虹

上幌延駅

天塩郡幌延町(宗谷管内) 宗谷本線 1995年9月2日(土) 標高9.7m

幌延駅の自転車小屋は一部宿泊可能になっているのだが、地元の高校生がたむろしそうなのでやむなくこちらに移動。駅舎は車掌車改造のもので、内装は新しいしそれなりに広くて締め切ることもできて快適。まさにマイルーム

50mくらいの距離に雑貨屋があるが、それ以外人家はない。あたりにはとりとめなく農地が広がる(写真)。車もあまり来ないので静か。なお、ここには1997年にも来たのだが、そのときは雑貨屋は店をたたんでいた。

写真には夕虹が写っている。夕虹は晴れと言うが、この夜はものすごい雷雨に見舞われた。秋の北海道は虹や雷が多いと思う。

駅舎

日進駅

名寄市(上川管内) 宗谷本線 1997年5月25日(日) 標高100.7m

当時は

  • 街道からやや入ったところにあり見つけにくい
  • 集落が近いのでちょっと視線は気になるが、まあ普通に駅寝できる

という印象だった。が、2012年6月に再訪してみると、駅の脇の道路が非常に立派になっており、とても駅寝に適しているとは言えない駅になっていた。

駅舎(というか待合室)はきれいに保守されているように見えた。いわゆる朝礼台的なホームにも鶏頭のプランターがたくさん置いてあって、地元の人に愛されていそうに思われた。鶏頭の十四五本もありぬべし。いやもうちょっとあったかな。

写真はその2012年6月の再訪時のものである。

下士別駅

士別市(上川管内) 宗谷本線 1995年5月31日(水) 標高129.8m

国道40号線に近いのはともかく、すぐそばが道道の踏切で警報機が少々やかましい。雨だったが、自転車小屋があるので自転車が濡れる心配はなかった。

駅舎は無人駅仕様ながらまあまあ広く、土間にベンチを取り付けたような風情。天井からは家庭用と同じと思われる蛍光灯(ひもを引いて点けたり消したりするやつ)がぶらさがっており、寝る前に消せるのはありがたい。ちょっと生活感漂うマイルームだ。

朝は始発まで1時間近くあるにもかかわらずサラリーマン風のおじさんがやってきて、君は今回の旅に出られたことについて親に感謝しているか?親がどのくらい心配してるのかわかっているのか?今回の旅から帰ったら、親に旅に出してくれてありがとうって言いなさいというようなお説教をいただく羽目になった。いや、旅に出てること自体、親は知らないはずなんだけどなあ……とは、やはり言えなかった。

政和駅

政和駅

雨竜郡幌加内町(上川管内) 深名線 1994年6月18日(土) 標高212.8m

この駅は、現在は既にありません。参考程度に読んでください。

個人的な話だが、初めて駅寝した駅はここだった。

古いがしっかりとした駅舎で、内部も広く、言うことは何もない。水はすぐそばのA-COOPの外の水道を使わせていただいた。

この政和のほか、近くの添牛内、北母子里はどれも駅寝好適駅だったが、1995年9月に深名線は廃止されてしまった。今では近くに「政和温泉ルオント」ができ、ここは大いに賑わっているようだ。なお、写真は廃止3ヶ月前に撮ったもの。

旧白滝駅

旧白滝駅

紋別郡遠軽町(オホーツク管内) 石北本線 1995年6月1日(木)

この駅は、現在は既にありません。参考程度に読んでください。

集落も国道も遠くはないが、それでも静か。普通列車も大部分が通過するので気楽なものだ。ただ、列車が通過すると、木造のボロい待合室が吹っ飛ぶんじゃないかというくらいの衝撃を感じる。それに、なんかぴいぴい声がするなと思ったら、待合室の中に鳥の巣があった。

この駅の隣の下白滝駅には立派な駅舎があるので、そちらの方が駅寝にはいいかもしれない。

海霧に包まれた初田牛駅

初田牛駅

根室市(根室管内) 根室本線 1994年8月5日(金) 標高79.1m

この駅は、現在は既にありません。参考程度に読んでください。

道道が近くに通っているが、通行はほとんどないので静か。駅からは風連湖や知床連山を望むことができる。根室半島の脊梁部にあり、標高が高いのだ。店はおろか人家も近くにはないが、夕方の列車からは1人だけ下車する客があった。

この駅に着いて最初にしたことは、扉を全部閉めて地図を丸めて虫(蝿のようなもの。この夏の北海道では大量発生していた)を叩き潰して回ることだった。

朝起きてみるとあたりは霧。この辺の道は、霧に包まれたときは世界から取り残されたような不安感を感じつつ走ることになる。それほど人気がなく静かだ。

滝ノ上駅

滝ノ上駅

夕張市(空知管内) 石勝線 1996年6月7日(金) 標高121.6m

国道274号線がすぐそばを通っているのでうるさい。淋しくないのはいいことだが。ただ、駅を使う人はほとんどいない。

この駅の少し札幌側に公園があり、水はそこで入手できる(歩いていくにはちょっと遠い)。おれは朝食の炊事と食事はこの公園の芝生の上で行った。この公園、千鳥ヶ滝という見事な滝もあるので、休憩ポイントとしてもおすすめできる。

蟠渓駅前バス停

有珠郡壮瞥町(胆振管内) 国道453号線 1995年9月30日(土)

蟠渓駅というのは1986年に廃止になった胆振線の駅だった。付近には廃線跡が顕著に残っているが。

集落の中にあるのであまり落ち着かないが、買物ができて便利ではある。また、トイレと水があるのはバス停にしては珍しい。

昆布駅

昆布駅

磯谷郡蘭越町(渡島管内) 函館本線 1995年7月22日(土) 標高46.1m

国道5号線沿いなので、あまり落ち着かない。乗り降りもないわけではないし。ただし、駅のすぐ裏に昆布川温泉「幽泉閣」があって日帰り入浴できるのはいい。なお入浴料は300円だった。

夜、駅に自動車が停まり、人が降りてきて待合室に入ってきた。何だろうと思っていると、トイレを使いたいと言う。場所を教えてあげるとその人はトイレに向かったが、また戻ってきて真っ暗だと言う。そこでおれはラテルネ(ヘッドランプ)を貸してあげた。めちゃくちゃ感謝されてしまった。自転車旅行をしていて、人に感謝することは多いけれど、あんなに感謝されたのは初めてだった。

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2002年1月7日初版 / 2020年9月3日更新