大望峠

戸隠の懐に抱かれた好展望観光峠

読み方だいぼうとうげ
標高1060m
位置長野県長野市
道路長野県道36号線
水系信濃川

実走日2001年5月5日(土)
地図などGoogle Maps地図院地図
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大望峠は、鬼無里から戸隠宝光社に上る道にある、戸隠と北アルプスの山並みの眺望が素晴らしい峠である。何となく観光峠っぽい名前だし、戸隠と白馬を結ぶ道路にあるため実際そうなのだが、鬼無里側の道路の未整備な感じや素朴な山村の雰囲気が、ただの観光峠にさせていない。勾配はけっこうきついが、探訪派にもおすすめできる。

鬼無里側のワインディング

(当時の上水内郡鬼無里村の中心街)で国道406号線から県道36号線に分かれて入る。鯉のぼりが空を泳ぐ、のどかそのものの山村を抜けていく。

交通量はそんなには多くない。勾配はきつく、10%の標識があったりするが、道の未整備具合もあいまって、楽しい気分で上る。ただの観光道路だろうと思っていたので意外さも嬉しい。


戸隠連峰

やがて、左手にノコギリの歯のような戸隠の山並みが大迫力で迫ってくる。雪はほとんど見えない(この日は白馬を出発して白沢峠を越えてきたので、北アルプスの残雪が頭にこびりついていた)。あたりの山の連なり方を見ても、どの辺がこれから越える鞍部なのか判然としない。

鞍部が近づくと道はむしろ広くなる。最後の11%を上り切り、右側の展望台への道へそれて、展望台に到着。


展望台から鬼無里方面への眺め

展望台から鬼無里方面への眺望は、文句なく大風景だ。今上ってきた谷、山村、そして彼方の北アルプス。右手に目を転ずれば、(さっきから見えていたが)戸隠連峰。東側への眺望はない。

写真の右の方の白いもやもやが、残雪で真っ白な北アルプスだ。


「伝説の谷 大望峠」の標柱

展望台には、伝説の谷 大望峠と刻まれた木製の標柱がある。自転車を入れることもできるので(本当はいけないのかもしれないが)、寄りかけて撮影。背景は北アルプス。

どうでもいいことだが、当時(松本に移住して1年後)は北アルプスは南北安曇郡と東筑摩郡からしか見えないという仮説を立てていた。上水内郡にあるこの峠からの眺望は、その仮説に最初にひびを入れたものだった。もっとも、この仮説はその後時間をかけて徹底的に粉砕されたのだが……。

ここからは12%もまじえて急に下るのだが、それはすぐ終わって再び10%で上ることになる。地図をよく読むとわかるのだが、戸隠宝光社の標高は大望峠と同じくらいなのだ。


県道76号線からの眺め

さて、宝光社から盆地へ下りるにはいろいろなルートがある。筆頭はバードライン(一ノ鳥居峠参照)だろうが、おれは観光地の混雑を避けたかったので県道76号線で長野市街へ出ることにした。

はじめは高原の道だが、やがて急峻な断崖をワインディングで下る山岳路になる。意外な展開だ。家々の貼りつく斜面を、10%連発の狭路(場所によっては1車線)で下っていく。徐々に長野の市街が眼下に広がってくる。楽しい田舎道だった。

長野市街のほど近くで国道406号線に合流すると、標高は400mそこそことなる。

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2002年1月7日初版 / 2011年5月19日更新