奈佐木峠

山村集落と清流を抜ける田舎道峠

読み方なさきとうげ
標高550m
位置宮崎県小林市
道路宮崎県道401号線
水系大淀川

実走日2010年3月29日(月)
地図などGoogle Maps地図院地図

奈佐木峠は、軍谷峠を下りてきたところの下奈佐木から東の宮崎方面に抜ける道にある峠である。まあ便利は便利な峠道には違いない。

沿線人口が少ないので通行量は多くない。そのうえ、立派な林道が近くに開通してくれているおかげで、県道401号線は完全に世界の流れから取り残されたかのような様子になっており、走っていてとても楽しい。山村集落と清流の風景も素晴らしい。

鞍部近くからの眺め

下奈佐木から県道401号線に入って走り始める。最初は山村集落の中を行く。小林市のごみ収集車と抜きつ抜かれつをし、最後には置いていかれる。

すぐに集落は終わり、1〜1.5車線の山道になる。最初は道路の脇には渓流がある。やがて造林地の暗い林の中を折り返してそれからは離れる。鞍部が近づき、林を抜けると左手には山ばかりの風景が広がる。足元にはさっき上ってきた道が見える。


鞍部

やがて鞍部に到着。下奈佐木からの標高差は220mほどでたいしたことはないのだが、それにしても楽な峠だったように感じる。

T字路になっており、木の案内看板によると直進(林道)が内山小・中学校、右折(県道)が須志原 野尻になっている。直進が楽なのはわかっているが右折を選ぶ。


瀬越

ヤマザクラの咲く中を緩く下って瀬越。とても小さな集落だ。コバノミツバツツジやハナモモが植えてある中を県道は折り返してゆったりと上っている。実に味がある。道沿いには竹竿で黄色い旗が掲げられているが、何とそれは粒状 満作という肥料袋。

さてその折り返しを上って下って上って下って須志原。瀬越よりは大きいが、どこか北海道を思わせるあっけらかんテイストの集落だ。葉も花も実もつけていない何かの果樹が並び、菜の花が咲いている。そしてここにも肥料袋の旗がある。


渓流沿いを行く

やがて奈佐木峠から直接山腹を下りてきた林道を合流させる。正式名称は緑資源幹線林道 宇目・須木線 須木区間というようである。林道は2車線あるわけだがここからはまた1〜1.5車線の道である。深い森の中の道で、清流が寄り添う。何とも愉快な気分になる。

内山のあたりでは道は2車線ある。ヤマザクラの咲く周囲の山が美しい。内山を過ぎると↑野尻・高岡 ←県道401号線のような標識があって混乱する。よく見ると直進はまたしても緑資源幹線林道であるようだ。そんなの意地でも走ってやるもんかという気持ちで左折し、県道401号線を選ぶ。


人の気配のない渓流と森の中を行く

……いやはや! しかしこれがこれほど素晴らしい道だとは思ってもみなかった。左には浦之名川の清流が寄り添い、ヤマザクラや春紅葉が続く。道路は1.5車線で、南側に斜面があるので薄暗く、コケが生えている。アップダウンはほとんどない。人家はなく、通行は絶無。

思いきりペダルを踏んでその爽快な道を走る。これなら奥入瀬渓流も真っ青じゃないのか。……おれはもしかするとごくありふれた道をべた誉めしているのかもしれない。まあそれでもいいが。

どうでもいいことだが、長野県の県道401号線もおれの大好きな道である。

ずっとこのまま県道401号線に沿って進むと尾根を越えて国道268号線に入ってしまう。それは嫌なので、その手前の岩前橋で県道を離脱し、広沢ダム経由で川沿いに行くことにする。


広沢ダム湖

軽いアップダウンでダム湖沿いの道になる。小さなダム湖ではあるが、ダムにたどり着いて見下ろすと意外とダムの堤高はある。

それを過ぎても道は急には下らない。少し行くと折り返すような分岐があり、→綾町 照葉大吊橋 酒泉の杜 綾城の標識が出ている。県道357号線だ。山越えにはなるがおれはこれで綾を目指す。

というところで、これより先は奈佐木峠の峠道でも何でもないので、唐突であるがこの頁は終わりである。

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2010年9月9日初版 / 2015年1月8日更新