半原越

落ち着いた里山林道峠

読み方はんばらごえ
標高488m
位置神奈川県愛甲郡愛川町・清川村
道路林道法論堂線
水系相模川

実走日2006年3月5日(日)
地図などGoogle Maps地図院地図

半原越は丹沢山地の東端あたりの尾根を越える峠である。普通の舗装林道峠ではあるが、入山峠と同じように、すぐそこまで迫っている都市化の波をしばし忘れさせてくれる峠でもある。特に眺望はないし、豪快さもないのだが、落ち着いた感じがするのが特徴といえば特徴だ。

ちなみに、半原というのは、愛川町の中心集落の名前である。よそ者にはなじみがない地名だが、周辺の道路標識にはよく出てくる。

林道法論堂線終点

半原の国道412号線を南下し、細野橋という橋を渡ったところで右折し、峠入口へ向かう。標高は200mほど。大きい道を横切って、いよいよ本格的な登坂の開始である。

いきなり道祖神やら庚申塔やら鳥獣供養碑やらがまとまって建っており、雰囲気が出てくる。最初だけ、左手に眼下の風景をちらと見下ろす。そのあとは薄暗いスギ林と明るい枯木林が繰り返す感じである。

幅は1.5車線ほどで、路面は新しくもないが荒れてもいないアスファルト。意外と車が通る。

だいぶ進んで、ヘアピンカーブの手前付近に、林道法論堂線の終点があった。ここからは林道法論堂線というわけだ。一般車両は通行するなという旨の看板がある。いつものことながら無視させていただく。


小さく市街地を眺める厚木高校同窓林

やがて背後に再び遠くの市街地の風景が見えてくる。ビルは橋本あたりのものだろうか。別天地である。

少し進むと、神奈川県立厚木高校 同窓林 憶い出の杜という看板が出ている。静かな春の午後の逆光の中のちょっとセンチな風景。


法論堂と半原越の由来を記した案内板

さてやがて深い切り通しの鞍部に到着。法論堂と半原越の由来を記した案内板がある。おれはここで、法論堂がおろんどであり、半原越が半原ごえであることを初めて知った。半原越は、昭和初期まで、煤ヶ谷(清川村)から半原へ繭を運ぶのに利用されていたという。それより前の歴史は書いてない。

切り通しの向こうには倒木を使ったゲートが作ってある。半原側で半原越先通行止という看板を見たが、これのことらしい。歩いてゲートをくぐって現場を偵察に行く。なるほど見事に道路に土砂がかぶっている。その上に重機が置いてあるが、人はいない。自転車なら大丈夫。OK。


煤ヶ谷側の下りの途中から鞍部を見る

鞍部を過ぎると、右手にこれから下る道とその向こうの開けた風景が逆光の中にかすんで見える。工事現場を突破し、反対側のゲートをクリアし、下っていく。道路の雰囲気は半原側と似たようなものだが、こちら側から上るとこれから上る道の眺めが相当によさそうである。

ゲートをもう1つ突破し、やがて県道64号線に合流する。合流点の標高は150mほど。右折すればヤビツ峠だが、おれは左折して平塚へ向かった。

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2006年3月31日初版 / 2010年4月7日更新