地蔵峠

静かで穏やかな雰囲気の峠

読み方じぞうとうげ
標高700m
位置群馬県高崎市・安中市
道路群馬県道33号線
水系利根川

実走日2010年10月11日(月)
地図などGoogle Maps地図院地図
同名峠地蔵峠(東北)地蔵峠(長野県-裾花川筋・土尻川筋)地蔵峠(長野県-伊那東部)地蔵峠(長野県-木曽)

この地蔵峠は、利根川の西側の大支流である烏川の流域と、さらにその支流である碓氷川の流域とを隔てる尾根を越える峠である。そこそこ便利な峠だとは思われる。

個人的にはとても印象の薄い峠なのだが、別に悪い意味はこめていない。簡単に言えば、そこそこ眺めがよくて雰囲気もそこそこあって静かな普通の峠という感じか。

スギ林の中の上り坂

おれはこの峠を北側の烏川筋から目指した。国道406号線(今気づいたが、白沢峠と同じ路線だ)から県道33号線が分かれるあたりが旧倉渕村の中心街で、大きめの集落がある。また小栗上野介の墓というものがちょうどその分岐点のあたりにある。おれは誰だか知らなかったが、幕末の郷土の偉人ということのようだ。幕末に斬首されたというのだが、一族郎党も同時に斬られたり自害したりといろいろあったようだ。中にはこれから行く地蔵峠で自害した者もいる。

さて県道33号線を上り始める。標高は470m。国道よりも一段高い対岸を進む。やがて道は右に折れる。少し行くと集落も尽き、スギ林の中の登坂となる。峠という名前だけあって、さっき吾妻川筋から越えてきた国道の無名峠よりもずっと勾配はきつい。交通量は意外とある。途中、養豚場がありその付近はにおう。

そのあたりで、右側に倉渕村指定史跡 地蔵峠・元禄の道しるべという看板も見かけた。その看板の足元に小さな石柱があり、これが1692年製の道標なのだという。


展望

その辺からはやや左後背の木々の間に明るい空が見えてくる。しかし展望は広がらない。これまたややにおう養鶏場を過ぎ、道はヘアピンで斜面を折り返して上り始める。薄暗い林の中、上の段の白いガードレールが見えるが、その落差はけっこうある。伊那の地蔵峠を思い出す。

林を抜け出し、左手に展望が開ける。左前方彼方には市街地が見える。どうやら前橋あたりのようである。そしてその左側にはぼこぼことした榛名の山並みが。


鞍部

そこから道は少し下り始め、やがて右カーブの鞍部に到着する。標高は692m。この付近の雰囲気はどこか輝嶺峠に似ている。峠道全体としては全然違うのだが。

振り返ると、↑榛名山という山名案内の標識が出ている。関越道にはこういうのは何箇所かあるが、一般道では珍しいのではないか。

立ったままパンをかじって昼食とする。時間帯(13時少し前)の関係なのか交通量は減って静かである。そういえば虫の声も鳥の声もしない。


下りの道角落山と浅間隠山

下り始める。展望はこれまたそれほど開けないが、ところどころで妙義山のギザギザの特徴的な稜線が見える。また西側には三角形のこれまた特徴的な峰が頭をのぞかせているのが見える(左から角落山と浅間隠山)。

やがて道は増田川の広い谷に下りる。このまま県道33号線沿いに進むと、2回川筋を替えて(つまり2回アップダウンして)松井田に出る。おれは増田川沿いにしばらく下ってから川筋を替え、磯部温泉に出た。

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2011年3月17日初版