野土路乢

蒜山を眺める廃道峠

読み方のとろたわ
標高863m
位置岡山県真庭市・真庭郡新庄村
道路岡山県道58号線
水系旭川

実走日2011年10月18日(火)
地図などGoogle Maps地図院地図

野土路乢は蒜山高原から南南西に進んだところにある峠で、蒜山高原と新見の最短ルート上にある。整備されているがあまり交通量は多くはない。南側の新庄村側は比較的平凡だが、北側の蒜山高原側は全体的に展望がよい。

現在、長さ2000mの野土路トンネルが開通しており、かつての峠道は廃道になっている。おれが走ったのはその廃道の方である。

スキー場から蒜山方面を眺める

蒜山高原側からこの峠に上ると、峠道の入口は国道482号線から県道58号線が分岐する地点だろう。標高は490mあまりなので、上りは400m弱となる。

2車線のよく整備されたなだらかな上りの道が続く。米子道の下をくぐり、ほぼストレートの上りを行く。右手から後方にかけて、大山や蒜山三座の眺めがいい。道路の両脇はススキ野原だ。スキー場なのだ。

ちなみに勾配はそこそこきつい。信州峠を思い出す。


旧道から見る蒜山方面の眺め

スキー場を過ぎるとぽっかりと野土路トンネルが口を開けていた。おれが持ってきていた2005年版の地図にはトンネルは載っていなかったので大いに驚く。旧道があるはずと思い探す。少し引き返すと上ってきた側から見て右側に旧道があるのを見つける。

入ってすぐに全面通行止の看板が出ている。しかし気にせず突破する。さらに少し行くとまた全面通行止の看板があり、コンクリートブロックとガードレールのバリケードがある。隙間にはご丁寧にワイヤーが渡してある。その上を乗り越えて自転車を進める。そこからは道幅は狭くなる。

最初のうちは、スキー場の脇を走っていたときと同様に大山や蒜山高原方面の眺めがいい。


廃道の上り

路面は両脇から草が進出していたり土砂崩れがあったりしてかなり走りにくくなっている。落ち葉の量もすごい。落ちているシバグリも多い。木はブナが目立つがトチノキもよく見る。

やがて眺望はなくなる。ひたすら登坂が続く。最初のうちの勾配はかなりきついものがあった。しばらく行くと右手の樹間に上蒜山が見えてくる。さっきのスキー場の脇のストレートの道の真っ正面を通過したりもする。


鞍部

やがて鞍部に到着。その直前にバリケードがあったので、新庄村側からここまでは通行可能ということかなとそのときは思った。鞍部には展望案内板、新庄村の案内看板、そしてトイレがある。大山は見えないが蒜山三座が見える。その手前に高いスギの木があるので素晴らしい眺望とまでは言えない。


新庄村への下り

さて下り始める。こちら側は、上りよりははるかにましとは言えやはり道路には通行のなさをうかがわせるものがいろいろある。スギ林が多い。軍谷峠と同じような、とんがり帽子の世界へようこそ! な景観である。なかなか楽しい。

しばらく行くと野土路トンネルの出口のすぐそばに出た。パイロンで作ったゲートがあり、伐採作業中 通行止とある。結局通行不可だったのか。


新庄村

そこからは2車線の下りだ。下り始めてすぐ、左に旧道がある。そちらをまわると銘水野土路の水がある。そこからもがんがん下り、途中、五段滝というものを右手の眼下に見て、山の駅 あじわいの宿新庄に到着。今夜の宿だ。前夜の蒜山高原での野営の寒さに懲りて(2011年11月3日の表紙写真を見ていただければ朝の様子がわかる)、ここに泊まることにしてあった。

さて翌朝は新庄村の中心街まで下る。秋の朝らしい、陰影のはっきりした山村風景の中を行く。国道181号線にぶつかると標高は470mあまり。奇しくも蒜山高原で県道58号線に入ったときの標高とほぼ同じである。

新庄村の中心街は、宿場町の雰囲気を残したかなり渋い集落である。少なくとも一見の価値はあるだろう。

© 2012-2015 tfi72. All rights reserved.
2012年2月16日初版 / 2015年1月8日更新