清風山

あぶない、あやしいロングダート

読み方せいふうざん
標高560m
位置北海道夕張市(空知管内)・勇払郡占冠村(上川管内)
道路北海道道136号線
水系石狩川・鵡川

実走日1995年6月17日(土)
地図などGoogle Maps地図院地図

清風山は、夕張市と占冠村の間の、石狩川と鵡川の分水界上にある山の名前である。鉄道の石勝線には同名の信号場があるので、それで知っている人も多いのではないだろうか。

ここで紹介するのは、その山ではなく、その1kmほど東側の尾根を越える道道136号線の峠道である。行ってみると、40km近くに及ぶぬかるみダート、橋のない川、登山道のような急坂と、とにかくいろいろと強烈な道だった。はまりたい人にはおすすめできるが、単独行と道端での野営は避けたほうがいい。あと、行きたくなった人には、おれが訪れた当時から、道の状態がさらに悪化している可能性も考慮してもらいたい。

なお、通れるならばだが、この峠道は地味に札幌から占冠への最短ルートでもあり、夏場なら大荷物ツーリング自転車でも1日で到達可能である。そのあと狩勝峠を越えれば、帯広に2日で到達する。日勝峠経由ではこうはいかないと思う。

上に書いた通り単独行は避けたほうがいいわけだが、実際おれは(地図を見ていて清風山に行きたくなったという個性的な)同志と一緒にここを走った。それでこの記事には変な形の写真が多いわけだ。つまりその、トリミングしないと同志に撮ってもらった写真で顔が出てしまうので。

入口の標識シューパロ湖に架かる三弦トラス橋

朝札幌を出て昼過ぎに大夕張ダムの下から道道136号線に入る。道がダートになるところに、この地点は道々ニニウ夕張線終点です これより先一般車輌の通行は出来ませんなる看板がある。あとで知るが、これは意地悪ではなく事実を述べていたのだった。

ぬかるんだ道をぐいぐい上ってシューパロ湖を見下ろすようになる。三弦橋もすぐそこに見える。この橋は断面が三角形になっている珍しいトラス橋で、簡素な美しさがある。これは森林鉄道の廃線跡だとのこと。

なお、シューパロはアイヌ語であり、逐語訳では本流の・夕張川を意味する。

上記をはじめとして、このページのアイヌ語地名の意味については、書籍北海道の地名によった。


夕張側

シューパロ湖が後方に去ると、パンケモユウパロ川沿いの上りになる(この変な川の名前は、同じく逐語訳で下の・支流の・夕張川)。坂は別にきつくないのだが、ものすごいぬかるみに閉口した。ランドナーのタイヤと泥よけの間に泥が詰まり、タイヤを外して泥をかき出すわけだが、木の枝では折れてしまうので石を拾ってそれで泥を引き剥がす。果ては泥を溶かすために水たまりに突っ込んだりと、苦闘を繰り返して進む。

おれはクマよけのために熊鈴を鳴らして走っていたのだが、途中の工事現場のおじさんにこの辺のクマ賢いから、そういうの鳴らすと寄って来るよ。アハハと笑われた。いや全然洒落になってないし。


最高所付近渡河地点

最高所は鞍部ではなくその手前。ここから少し下るとパンケモユウパロ川の最後の横断になるのだが、ここだけ橋がない。しかたがないので靴を脱いで対岸に放り投げ、自転車を担いで裸足で渡河した。

渡河直後の300mくらいは登山道のようになっており、中央部に溝が掘れているので脇を押して上る。上りきると標高540mの鞍部。ここからは普通の砂利ダートで、ニニウまで快走できる。ニニウにはキャンプ場やサイクリングターミナルがある。

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2002年1月7日初版 / 2010年4月7日更新