柳蘭峠

明るくてどこか不気味な、御嶽を仰ぐ峠道

読み方やなぎらんとうげ
標高1697m
位置岐阜県高山市
道路岐阜県道463号線・県道435号線
水系木曽川

実走日2002年10月5日(土)
地図などGoogle Maps地図院地図

柳蘭峠は御嶽の山肌に刻まれた2本の谷の間にあるローカルな峠である。上って下りる峠としては、上り口と同じ側に下りてしまうことになるので、ほとんど利用価値はないと思う。

しかし、濁河温泉とチャオ御岳スキー場へのアクセスという点から見ると、この峠は枢要といってもいい位置にある。おれ自身も、木曽福島を出発して濁河温泉まわりで小坂に向かうときに、長峰峠濁河峠の間にある峠として通過した。

この名前は、全然知らなかったのだが、植物の名前からついているようだ。近くの濁河温泉スキー場(濁河峠参照)が、ヤナギランの名所として割と有名なようである。

シラカバ林

長峰峠を少し下りてから左折すると、柳蘭峠への道に入る。勾配の緩い、舗装のきれいな広い2車線路が続く。県道だが、国道の長峰峠より整備されているかもしれない。

国道361号線から少し入っただけなのに、長峰峠とは完全に異質な世界が広がっていて驚く。広いストレートロードと、両脇の紅葉のシラカバ林と、道の向こうの広々した青い空の取り合わせが、どこか信州離れした雰囲気を醸し出している。まあ、ここはもう信州じゃないが。


行く手の御嶽後方の乗鞍岳

ちょうど正面には、くちびるのような形をした御獄が見え、後ろを振り返ると優美な乗鞍岳が見える。

通行はほとんどなく、生活感もまったくない。日和田高原のあたりは多少リゾート地っぽかったが、それでもあくまで静かだ。北海道の、それも道北の、淋しい峠(例えば西尾峠)を思い出す。

ときどき7.5%の勾配標識がある。実際勾配はそのくらいではないかと思うが、なかなかきつい。


谷の向こうの乗鞍岳御嶽(継子岳)

やがて、明るい林の中を抜け出して、山腹を雄大なカーブで上っていく。右手に谷が広がる。その向こうに紅葉のなだらかな尾根が続き、彼方に乗鞍が見える。

遠くから道路標識が見えるのでわかるのだが、緩い左カーブの切り通しが鞍部。柳蘭峠 標高1697mという小さい木の標柱がある。

おれはここで左折して濁河峠へ向かったので、柳蘭峠を反対側に下ったわけではないが、地図を読む限りはここからの下りは上りのようには整備されていないようだ。

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2002年11月19日初版 / 2011年5月19日更新